目立たないけど見どころ満載 釜山国際モーターショー2022 日本未導入の巨大MPVも

公開 : 2022.07.20 18:05

韓国ではクラシックカー

ソウルや釜山の街角を歩くと、古いクルマがとても少ないことに驚かされる。低公害地域の影響もあるが、かつて韓国は輸入関税や規制が厳しく、欧州や米国の名車が輸入されることはなかったからだ。

それに、昔の韓国車はあまり良いものではなかったので、たとえ古いクルマであってもノスタルジーはほとんどない。欧米や日本と比べても、クラシックカーの文化はあまり根付いていないのだ。

釜山国際モーターショーで展示されていたクラシックカーは、個人所有のものだった。
釜山国際モーターショーで展示されていたクラシックカーは、個人所有のものだった。

今回の展示車両は、キム・ジュヨン氏の所有物だ。彼は、インジェ・スピーディウム・クラシックカー・ミュージアムで、韓国人にクラシックカーについて教える立場にある。

ディペコ・ポトロ

主要自動車メーカーの参加は6社のみだが、自動車関連企業の出展は少なくない。それにしても、この幸せそうな顔。モーターショーといえば「モビリティ・ソリューション」のお披露目の舞台だが、小規模メーカーの存在感はとても小さかったと言わざるを得ない。

ディペコ(Dpeco)は比較的小さなメーカーで、バスからこの小型バンまで、さまざまな商用車を作っている。ポトロは、最高出力20psの電気モーターと15.7kWhのバッテリーを搭載し、最高速度70km/h、航続距離約100kmを実現している。

ディペコ・ポトロ
ディペコ・ポトロ

基本価格は2068万ウォン(約218万円)と、三菱のミニキャブ・ミーブ(税込み243万円から)に近い。狭い街中では、ちょうどいい仕事道具になるかもしれない。

オフロード車

ジェネシスキアのブースを訪ねる前に、オフロード・モーターズを訪ねてみよう。韓国の道路はしっかり舗装されているが、韓国人はリフトアップしたオフロードカーに目がない。街中でもジープラングラーをよく見かけるが、そのほとんどは何らかの改造が施されている。

特に、リフトアップキットや社外ホイールの装着率が高い。グレーのヒョンデやキアが多い中では、非常によく目立つ。ジープが一番多いのだが、トレーラーテントを付けたサンヨン・ムッソや、新型フォードブロンコも展示されていた。

韓国ではオフロード車が人気のようだ
韓国ではオフロード車が人気のようだ

ジェネシス

ジェネシスは、ヒョンデの高級車部門にあたるブランドとして欧米での知名度新を高めつつあるが、本国では以前から人気を博していた。トヨタにおけるレクサス的な立ち位置、といえばわかりやすいだろう。今回のショーでは新型車の発表こそなかったものの、G80やエレクトリファイドGV70といった、欧州導入を間近に控えたモデルを見ることができた。

最高級セダンのG90の欧州導入予定はないが、そのスタイリングはかなり攻めている。メルセデス・ベンツSクラスBMW 7シリーズアウディA8など、保守的な傾向が強いセグメントではあるため、販売台数を競うことはできないだろうが、レクサスLSの良きライバルとなるかもしれない。

ジェネシスG90
ジェネシスG90

G90による空港までの送迎を経験した取材班は、最新のドイツ車ほど派手なガジェットはなく、乗り心地ももう少し修正が必要だが、車内の仕上がりは心地よく、かなり快適な移動だったと評価している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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