2022年版 ドライブを最高に楽しめるコンバーチブル ベスト10 開放感が堪らない1台

公開 : 2022.07.23 18:05

5. フィアット500eオープン

EVの選択肢が徐々に増えつつある中、オープンボディは遅れをとっている。EVのパイオニアであるテスラ・ロードスターは、もちろんオープントップだ。しかし、今、コックピットがオープンになっているゼロ・エミッション車を求めるとしたら、選択肢は非常に少なくなってしまうのだ。改造車を除くと、EVとして生まれ変わったフィアットの新型500eくらいである。EV普及が進む欧州ですら、500eとスマートEQカブリオ(残念ながら高評価はできない)しかない。

500eオープンは、後部座席の後ろに巻き取ることができるスライド式の布製フードを持っているという点で、車名の通りオープンカーと分類できる(ただしピラーは残る)。全車、最高出力118psの電気モーター(フロントマウント)と42kWhバッテリーを搭載し、WLTPサイクルで320kmの航続距離を持つ。

フィアット500eオープン
フィアット500eオープン

ほとんどの市販EVと同じく、実走行での航続距離は公称の75~90%程度となる。2人が座れる後部座席も用意されているが、それでも窮屈であることに変わりはない。約80km/hまでのパフォーマンスは頼もしく、乗り心地とハンドリングは十分に快適なレベルだ。

排気音に耳を傾けながら走るのではなく、周りの環境音を聴きながら静かに走り、後にはほとんど何も残さないという思想が好きな人なら、フィアット500eオープンが提供してくれるものを存分に楽しめるだろう。

6. BMW 4シリーズ・カブリオレ

BMWの新型4シリーズは、当初2ドア・クーペの姿で登場したが、2021年にはカブリオレが発売された。Z4と同様、従来の折りたたみ式の金属製ルーフから軽量の布製ルーフに変更され、オープン時のボディを補強するためにクーペより150kg重くなっている。また、多くの批判を集めたラジエーターグリルのスタイルも同じ(これについては各自でご判断ください)。

いずれにせよ、このクルマは4人乗りのカブリオレとして、さまざまな分野をカバーしようとしている。ラインナップの最上位には四輪駆動のM4コンペティションとM440i xドライブがあり、スポーティなアグレッシブさに溢れている。2.0L直4と3.0L直6のガソリンエンジンが用意され、どれもバランスのとれた動力性能を備えている。

BMW 4シリーズ・カブリオレ
BMW 4シリーズ・カブリオレ

BMWは、キャビンと外界の隔離性と、クルージングの洗練性を大幅に向上させることに成功している。ルーフとウィンドウを閉じれば、走行中も車内で簡単に会話ができるが、より洗練された仕様を求めるなら、ランフラットタイヤを履くM440iは避けるのがベターだろう。

走りの面でのドライバーへの訴求力は先代モデルより強く、キャビンの質感も飛躍的に向上している。グリルの形状はともかく、4シリーズ・カブリオレは非常に完成度の高いコンバーチブルであり、誰にでも勧めやすい1台と言える。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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