2022年版 ドライブを最高に楽しめるコンバーチブル ベスト10 開放感が堪らない1台

公開 : 2022.07.23 18:05

7. BMW Z4

BMWのロードスター、Z4も3代目を迎えた。金属製ではなく、折りたたみ式の布製ルーフを備えた2シーターのドロップトップとなったこのクルマは、トヨタGRスープラと共同開発されたもので、晴れた午後のクルーザーであると同時にナチュラルなドライバーズカーでもある、というBMWのイメージを回復しようとしている。

その試みは、ある程度成功している。ワイドなトレッドと新しいアクスルによってハンドリングが向上しているほか、ドライバーのヒップポイントをシャシーの回転軸に近づけて、クルマのさまざまな挙動を感じられるようになっている。ポルシェ718ボクスターロータス・エリーゼアルピーヌA110に見られるような、ドライバーとの緊密な関係を築くことはまだできないが、適度にバランスが取れ、きちんとコントロールされていて、曲がりくねった道でも自身の力を発揮することができるようになったのだ。

BMW Z4
BMW Z4

エンジンは、最高出力197psの2.0L直4と、最高出力387psの3.0L直6ターボがある。全車後輪駆動で、トランスミッションは8速AT。

8. モーガン・プラス・フォー

モーガンほど、長い夏の一日に魂をゆっくりと保養するのに適した四輪車はないだろう。このユニークで伝統的、貴族的なブレティッシュ・ロードスターは、クーペを改造したものとも、現代的なスポーツカーとも一線を画している。BMWのエンジンを搭載し、オールアルミの新シャシーを採用しながらも、走りは20世紀前半のオリジナルとまったく同じだ。

あるときには驚くほど豊かでゆったりとした、またあるときには少々荒っぽく肉体的な、そして必要に応じてターボチャージャーで十分な速さを発揮するプラス・フォー。それなりのハイペースで運転するには、試練の多いクルマかもしれない。乗り心地も良好とは言い難く、ボディコントロールもグリップも、限界点はかなり控えめだ。しかし、狭い田舎道ではそのミディアムなハンドリングが美点となり、格別な喜びをもたらしてくれる。

モーガン・プラス・フォー
モーガン・プラス・フォー

もちろん、6気筒エンジンを積んだ兄弟車のプラス・シックスの方が、より速く、グリップもある。しかし、ルーフを下ろして晴れた道を走るのに理想的なのはプラス・フォーであり、旅を豊かにし、その場の雰囲気を盛り上げることができるのは、他でもない、このクルマなのだ。プラス・フォーには、巨人を倒すようなパフォーマンスやハンドリングは約束されていないし、期待もしてはいけない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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