米国人にはウケなかった欧州車 22選 悪いイメージと文化の違いで売れないクルマたち
公開 : 2022.07.24 18:05
フィアット500L
500Lは、セルビア(製造国)で大ヒットを記録したモデルである。この小さなMPVのスタイリングは、どうしようもなくキュートな500と少し似ており、米国人にはあまり好かれなかった。
2014年には1万2413台が販売され、一時的に活況を呈したが、すぐに需要は落ち込み、2010年代の終わりには年間数百台が販売されるのみとなった。ちなみに、欧州ではほとんどの年に5万台以上を販売し、一時は9万4000台を超えていた。一方、2013年から2021年までの米国での総販売台数は、3万5000台に届いていない。
フィアット500X
フィアットファンの方には残念なお知らせだが、クロスオーバーの500Xも米国人の興味を引くことに大きく失敗したモデルである。欧州での販売台数は5桁台後半をキープしており、2016年には10万5000台近くに達した。同年、米国では1万2599台が売れたものの、それ以降、この数字には遠く及ばないままだ。
ジャガーXタイプ
四輪駆動とディーゼルエンジンを搭載して販売されたジャガーXタイプは、どの地域でも販売面で大きな成功を収めたわけではないが、特に北米市場の反応は冷めていた。米国での販売は2002年に3万3000台(欧州を約10%上回る)と好調なスタートを切ったが、英国ブランドに対する関心は大西洋を越えるときに失われてしまった。2006年には、販売台数は4桁半ばに落ち込んでいる。
マイバッハ
主要ライバルであるベントレーやロールス・ロイスを買収するチャンスを逃したダイムラーは、超高級車市場に参入するために、ロングホイールベースのマイバッハ57と、さらに長い62を開発した。21世紀初頭に始まったこの一大プロジェクトは、2013年についに頓挫した。
マイバッハの米国での運命は、他の地域と同じようなものである。人口の100万分の1にも満たない200台を超えて販売することは、ほぼ達成不可能だった。一方のロールス・ロイスは、マイバッハの消滅後、米国での存在感を高め続けている。現在、「マイバッハ」の名は、SクラスやGLSクラスなど、一部モデルの超高級仕様として存在している。
メルセデス・ベンツBクラス
2代目Bクラスは、米国ではEV(電気自動車)仕様しか販売されなかったため、当初から大ヒットの可能性は見えていなかった。しかし、売れなかったのにはそれ以上の理由があるはずだ。年間2万台以上売れている他社EVがある中で、Bクラスが1000台の壁を破ったのは一度だけ。公称航続距離が140kmにとどまることは、その一因であろう。