450psのRRに7速MT ポルシェ911 スポーツクラシックへ試乗 1250台の特別仕様 前編

公開 : 2022.07.23 07:25

エンジンはターボと同じ3.8Lツインターボ

そして、この911 スポーツクラシックで重要なポイントが、単なるファッションではないこと。かなりシリアスな内容が与えられている。開発段階では、延べ75万kmという膨大なテスト走行が実施されたという。

ボディはワイドな911 ターボ用でありつつ、リアフェンダー前にはエアインテークがない。ダックテールとのコーディネートを、完璧なものにするために。

ポルシェ911 スポーツクラシック(欧州仕様)
ポルシェ911 スポーツクラシック(欧州仕様)

エンジンは911 ターボと同じ3.8Lツインターボを搭載するが、後輪駆動のみで、デュアルクラッチAT(PDK)ではなくMTが組み合される。これは通常の911 ターボでは選択できないペアで、後輪駆動の992型としては最強となる。

さらに後輪駆動化に合わせて、最高出力は580psから550psへ、最大トルクは76.0kg-mから61.1kg-mへと、デチューンされてもいる。その結果、0-100km/h加速は2.8秒から4.1秒へ、あえて遅くなっている。

燃費はカタログ上で7.9km/L。今回の試乗では、特に急かした運転をせずに6.9km/Lが示されていた。最高速度は、315km/hが主張される。

フロントのドライブシャフトが省かれ、軽いマニュアルのトランスミッションとカーボン製のボディパネルが与えられたことで、車重は911 ターボの1640kgより軽く1570kg。正しい方向性だといっていい。

ライバルとして想定できるのはアストン マーティンDBS スーパーレッジェーラから、フォードマスタング GT500まで幅広いだろう。パフォーマンスでは前者が、オールドスクールな体験では後者と比較されるが、価格はずっと高い。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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