ルノースポールの歴史 スピダーからトロフィーRまで 写真とともに振り返る
公開 : 2022.07.24 06:05
メガーヌに初のRSモデル クリオも発展
また、この年にはルノースポール初のメガーヌが発表された。フランクフルト・モーターショーで公開されたメガーヌ・ルノースポール225は、ツインマフラー、専用のボディキット、特徴的なリアスポイラーを備え、標準のハッチバックとは一線を画したモデルである。エンジンは、クリオRSで実績のある2.0L 4気筒エンジンを搭載し、ターボチャージャーを追加して225psにパワーアップしている。しかし、サスペンションのセッティングがやや緩かったため、ホットハッチクラスで旋風を巻き起こすには至らなかった。
2004年、クリオ172はわずかにパワフルな182にバトンタッチする。ツインマフラーを採用し、0-100km/h加速のタイムを172よりコンマ数秒短縮したほか、いくつか外観上の改良が加えられた。しかし、それでも172カップより重く、現在ではそれほど高い評価を受けていない。
例外は182トロフィーで、年間3000台近い182を購入する英国市場に対する感謝の気持ちを込めて、現地の意見を取り入れながら開発された限定モデルだ。ザックス製の特注ダンパー、カプシカムレッドのボディカラー、スピードライン・トゥリーニのアルミホイールを装備し、わずか500台が英国向けに製造された。現在では、同世代最高のクリオとして広く知られている。
2つのシャシー設定 F1とのつながり
2005年にメガーヌRSにトロフィー仕様が設定され、ステアリング、ブレーキ、サスペンションのアップグレードにより、批評家を黙らせた。限定モデルだったが、すぐに完売したため、幅広いカラーバリエーションを持つカップ仕様が量産されることになった。ルノーはここで、シャシーセッティングの異なるスポールとカップを用意し、ハンドリング重視か、快適な日常走行かを選択できるようにしたのである。
同年、ルノーがF1コンストラクターズ選手権を制し、それを記念して発売されたのがメガーヌ・ルノースポールF1チーム・スペシャルエディションである。ウルトラブルーのカラーとグロスブラックのアルミが特徴的なホットハッチで、レカロのバケットシートがその過激さを物語っているが、メカニカルなアップグレードは施されていない。そこからさらに一歩踏み込んだのがF1チームR26で、出力を230psに上げ、排気システムを強化し、LSDを追加して、ハンドリングを一変させたのである。当時の英国編集部はこう語っている。「まずこれに試乗しないで、GTI、ST、VXR(ゴルフ、フォーカス、コルサ)を買うなんて、どうかしていますよ」
3代目クリオのルノースポール仕様が登場したのもこの頃。RS 197は、リアディフューザーやブレーキ冷却用のサイドベントなど、F1のスタイルを汲んでおり、ショートレシオの6速トランスミッションと197psにチューンされたエンジンで、先代よりもペースアップを実現している。197カップも、キセノンヘッドライトやオートエアコンを外した、おなじみの仕様ですぐに登場したが、英国では標準モデルの197より1000ポンドも割安となっている。
フェイスリフトでは3psのパワーアップを果たし、車名もクリオRS 200に変更された。より応答性の高いステアリングラックと改良されたギアリングにより、それまで抱えていた課題のいくつかが改善されている。