アウディQ4 eトロン売れてるワケ 日本で立てる「積極的なEV戦略」
公開 : 2022.07.27 05:45
アウディQ4 eトロンの受注が好調。eトロン販売員に認定制度を設定するなど、アウディの積極的なEV戦略を紹介します。
日本市場でEV積極展開
アウディジャパンが日本市場でEV(電気自動車)を積極的に販売していく意向を示した。
これは同社が2022年上半期に関するデータを開示する中で明らかになった。
まず、最も大きな話題となったのが新型EV「Q4 eトロン」と「Q4スポーツバックeトロン」の市場導入が挙げられる。
さらにスポーティな走りを重視した、「eトロンS」と「eトロンSスポーツバック」も取り揃える。
これらモデルの発売開始にあわせて、全国各地でユーザーがドイツ本国から上陸したコンセプトモデルの実車を確認し、販売店を通じて詳しい車両説明を受ける「ロードショー」も開催した。
EV以外にもアウディの新型モデルとしては、スポーティな「SQ2」、そして日本で根強い人気がある上級モデルの「A8」、「A8 L」、「S8」も導入している。
また、日本市場ではアウディに限らず、輸入車では限定モデルの需要が高く、アウディでもさまざまなモデルを投入している。
具体的には「A4アバント・ブラックスタイル・プラス」、「A5スポーツバック・ブラックスタイル・プラス」、「Q2 TDI」、「TTクーペSライン・コンペティション・プラス」、「A1シティカーバー・ブラックスタイル・プラス」がある。
自ら今回のプレゼンテーションをおこなった、アウディジャパン代表取締役社長のマティアス・シューパース氏は「TTの人気があることがうれしい。車齢は長いがこのセグメントでは数少ない魅力的なモデルだと思う」と、アウディラインナップの奥深さについてあらためて触れた。
一方で……。
登録台数は前年同期比減
日本市場での登録台数を見ると、2021年上半期(1月~6月)では1万2854台だったのに対して、今期は9905台と大きく減少している。
背景にあるのは、ほかの輸入車各メーカーや日系メーカーと同じで、半導体不足やロシアのウクライナ侵攻によるグローバルでのサプライチェーンや物流の混乱である。
こうした課題は、2021年6月以降に顕著となっており、ここで示した2021年上半期の実績には大きな影響が及んでいないと、アウディジャパンでは分析している。
要するに、2021年下半期からこれまでの間、アウディジャパンとしては売りたくても、新車が入ってこないという状況が続いたということだ。
また、2021年上半期は、販売台数規模が大きなモデルである「Q3」や「A3」の導入があったことが、結果的に2022年上半期への反動として数字に現れたと考えられる。
2022年上半期日本市場でのプレミアムブランドのマーケットシェアでみると、トップはメルセデス・ベンツ(2万4328台、マーケットシェア25.1%)、2位がレクサス(2万1335台、22.0%)、3位がBMW(1万4032台、14.5%)、そしてアウディが10.2%と続く。
こうした中で、アウディジャパンとして注目しているのが日本におけるEV市場の広がりである。