アマゾン EVでの商品配送開始 航続距離は最大240km 2030年までに10万台生産予定

公開 : 2022.07.25 18:25

アマゾンとリビアンは、荷物配送用の大型電動バンの全米展開を開始しました。「ラストマイル配送」の脱炭素化を目指す中で重要なステップとされています。

本格導入開始 年末までに数千台

ネット通販大手のアマゾン・ドットコムとEVメーカーのリビアンは、配送用の電動バンの全米展開を開始した。2022年末までに100以上の都市に「数千台」を導入する計画だ。

「安全性、持続可能性、快適性」をテーマに開発されたこの電動バンは、リビアンによってイリノイ州で製造され、アマゾンで取り扱う商品を顧客の元へ届ける際に使用される。航続距離は190~240kmとされている。

アマゾンにより使用されるリビアンEDV 700
アマゾンにより使用されるリビアンEDV 700    アマゾン・リビアン

計画ではまず、ボルチモア、シカゴ、ダラス、カンザスシティ、ナッシュビル、フェニックス、サンディエゴ、シアトル、セントルイスなどの都市で配備される。両社は、2030年までに10万台の生産を目指している。

アマゾンは電動バンについて、ラストマイル配送(物流拠点から顧客までの配送)の脱炭素化に貢献し、米国全体でネット・ゼロ・カーボンに向けた移行を継続し、「年間数百万トンの炭素」の排出を削減するとしている。

リビアンとアマゾンは、2019年から配送車両の開発で提携している。アマゾンは昨年から量産前のプロトタイプ車両を使用しており、43万個あまりの荷物を配送し、14万km以上を走行したとのこと。この長いテスト期間を利用して、さまざまな気候の中で車両性能、耐久性、安全性の微調整が行われた。

アマゾンCEOのアンディ・ジャシーは次のように述べている。

「気候変動の影響と戦うには、絶え間ない革新と行動が必要です。アマゾンは、環境への影響を最小限に抑えるための新しい方法を発明するという情熱を共有する企業と提携しています。リビアンは優れたパートナーであり、わたし達は、初めての電動配送車を道路上で見ることに興奮しています」

排ガスを出さず、静かに荷物をお届け

この背の高い電動バンには軽量のバッテリーが搭載されており、アマゾンによると、このバッテリーの寿命は車両寿命と同等だという。

360度の視界を確保し、自動緊急ブレーキ、衝突警告、アダプティブ・クルーズコントロールなどの運転支援システムも備えている。

アマゾンにより使用されるリビアンEDV 700
アマゾンにより使用されるリビアンEDV 700    アマゾン・リビアン

また、ドライバーがクルマを離れると自動的にロックされる機能や、パワーアシスト付きバルクヘッドドア、人間工学に基づいて設計されたキャビンなどが特徴的だ。

リビアンのCEOは、この配送車両は環境と物流の両方にとって重要なステップであると語っている。

「2019年、リビアンとアマゾンは、二酸化炭素排出量の大幅な削減につながる新しいタイプの配送車両の早期導入を約束しました。懸命な努力と協力、そして子供たちの子供たちのために世界をより良い場所にするという共通のコミットメントのおかげで、そのビジョンは今実現されつつあります」

「このパートナーシップによって、物流業界全体の脱炭素化プロジェクトが始動したことを、とても嬉しく思っています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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