クルマの欠陥デザイン 自動車史に残る?設計ミス 23選 失敗から学ぼう
公開 : 2022.07.30 06:05
フィアット・パンダ100HP:バンピーな乗り心地
パンダ100HPのファンは、このクルマを素晴らしい小型ホットハッチとみなしている。確かに否定はできないのだが、ファンでない人たちは、ちょっとの段差でぴょんぴょん跳ねる乗り心地にすぐに気分を悪くしてしまうだろう。
サスペンションは標準仕様のパンダからアップグレードしているが、フィアットはよほど滑らかな道でしかテストしていないようだ。騒音が大きいことや、腕が長く脚が短いドライバーに最適なドライビングポジションなど、このクルマを批判するのは簡単なことだった。
フォード・モデルY:ワイパー
欧州市場向けに開発された最初のフォード車であるモデルY(エイト)のワイパーは、複雑な事情でエンジン内部の状態と密接に関係している。エンジンを回せば回すほど、ワイパーの動きは遅くなる。雨の日の登り坂などでは役に立たなかった。
公平を期して言うと、モデルYは1935年10月にわずか100ポンドで販売されたが、これは定速電動ワイパーを装着していれば不可能な価格であろう。英国の大衆車を底辺から支えたクルマと言える。しかし、当時のある評論家は、「大雨のとき、これが101ポンドだったらと思ったことが何度もある」と書いている。
リンカーンMKC:スタート/ストップボタンの位置
リンカーンのクロスオーバー車、MKCには、エンジンのオン・オフを切り替えるボタンと、スポーツモードを作動させるボタンが1つずつあった。ここまでは何も問題はない。お察しの通り、2つのボタンは非常に近い場所に配置されていたのだ。スポーツモードを選択しようとすると、走行中に誤ってエンジンを切ってしまう可能性があった。言うまでもなく大問題である。
フォード(リンカーンは高級車ブランド)はリコールを発令し、スタート/ストップボタンの位置を変更した。幸いなことに、シボレー・コバルトのイグニッションスイッチ騒動のような結果を招くことはなかった。
マトラ・ランチョ:サイドウインドウ
ランチョのごく初期のモデルは、スライド式のサイドウインドウにキャッチが付いていなかったため、セキュリティ上の重大なリスクがあった。ある評論家は、「両手にタフィーアップルを持った4歳の子供でも、5秒以内に車内に侵入できるだろう」と評している。
その後、ウィンドウキャッチが仕様に追加された。
マツダRX-8:リアドア
RX-8は、その優れたハンドリングが評価される一方で、経済性の低さや低・中速域のトルク不足など、コンパクト(1.3L)ながら大食いのロータリーエンジンの評判はまちまちだ。しかし、車体設計における不都合を指摘する人はほとんどいない。
RX-8のドアは4枚で、リアドアは後ろ向きに開く。いわゆる「観音開き」である。後席への乗降性とクーペのフォルムを両立するアイデアで、エンジンと並ぶRX-8の特徴となっている。しかし、前が開いていないと後ろが開かないので、後席から降りるときは前席の乗員にドアを開けてもらう必要がある。
また、閉めるときに順番を間違えると、リアドアでボディを傷つけてしまう恐れがある。これは新型のMX-30でも同様である。