クルマの欠陥デザイン 自動車史に残る?設計ミス 23選 失敗から学ぼう
公開 : 2022.07.30 06:05
NSU Ro80:信頼性の低さ
Ro80は魅力的かつ革新的なクルマであったが、2つの大きな問題があった。いずれも発展途上のロータリーエンジンに起因するものである。第一に、とてつもなく燃費が悪く、1973年の燃料価格高騰の際にはイメージが急落してしまった。第二に、ローターが破損し、エンジン停止に至るというものがあった。
信頼性の問題は後に解決されたが、Ro80の評判が回復することはなかった。NSUの評判も同じ。Ro80は欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞(1968年)するなど、発売時には大いに注目を集めたが、やがて多額の保証請求によって経営危機に陥り、NSUはフォルクスワーゲンの傘下に入ることになった。NSUの名は1977年に途絶えている。
ポルシェ911:エンジンの位置
リアアクスルの後ろにエンジンを搭載すると、安定性に疑問符が付いてくる。初期のポルシェ(1964年に登場した初代911まで)では、リアエンジン・後輪駆動方式は低出力の小型車において十分な働きを見せてくれる。
しかし、出力が上がるにつれ(特にターボチャージャーが追加されると)、エンジンの搭載位置が悪いのではないかという評判を得るようになった。ポルシェは近年、911をミドシップ化することなく、この問題を最小限に抑えることに成功。伝統的なエンスージアストを心から喜ばせている。
プロトン・サヴィ:うるさい警告音
パーキングセンサーを搭載しているクルマは、障害物に近づくと警告音が鳴る。音の鳴らし方や音色は、ブランドやモデルによって異なるが、プロトン・サヴィほどうるさいクルマも珍しいかもしれない。
サヴィは、三菱とも関係が深いマレーシアの自動車メーカー、プロトンが製造していたBセグメントのハッチバック車。搭載されたリアパーキングセンサーは、障害物の接近を検知すると、「ギャーギャー」と耳障りな音を立てて警告する。
これは、設計上の欠陥というほどのものではないし、気にしないという人も多いかもしれない。だが、過剰な警告音は人間を不快にさせる。他メーカーの電動テールゲートやスライドドア装備車でも、開閉時に甲高い音が鳴り続けるものがある。決して深刻なものではないが、メーカーにとって簡単に修正できるシステムであることは間違いないだろう。
ルノー・アヴァンタイム:凝ってるけど不器用なドア
アヴァンタイムは、クーペというかSUVというか、分類の難しいクルマだが、とにかくドアが巨大で重い。もし通常のヒンジ式だったら、駐車場で隣のクルマにぶつけないように開けるのはほとんど不可能だろう。幸い、ルノーはダブルヒンジという珍しい機構を採用してくれた。
なかなか凝った仕組みで面白いのだが、乗り降りしやすいかと言うと、そうでもない。長さ1.4mもあるドアはちょっとしか開かないので、前席に座るときはクルマの後ろの方から乗り込まなければいけない。もっといい解決策があったはずだ。