ダサいけど欲しくなるクルマたち 18選 不思議な魅力で世界を誘惑する名車・珍車

公開 : 2022.07.30 18:05

フォード・フュージョン(2002年)

欧州向けのフュージョンは、同名の北米向けセダンとは異なる、小型のハッチバックである。2002年に発表されるやいなや、次から次へと生ぬるいレビューを量産した。ベースは人気の高いフィエスタだったが、出来上がったクルマは不快で、古臭く、走りも平凡。実用性や多用途性も、求められるレベルとは程遠いものであった。

10年間にわたって販売が続けられ、その間、たった一度の軽いリフレッシュが行われただけであった。しかし、欧州の消費者はフュージョンを買い続けた。室内が広くて、控えめなドライビングを楽しみたい人に最適なクルマだったのだ。

フォード・フュージョン
フォード・フュージョン

フォード・エスコートMk5(1990年)

1993年にモンデオが登場するまで、フォードは純粋に魅力的なクルマというよりも、価格競争力のあるクルマを発売することが非常に多かった。1990年に発売されたエスコートMk5は、そのひどい動力性能、洗練性の欠如、派生的なスタイリング、面白みのない装備などで評論家から酷評された。

しかし、それでも消費者はお得な価格に誘惑され、エスコートを買い求めた。1991年に登場したRS2000は、16Vツインカムエンジンが搭載され、ますます魅力的なクルマとなった。

フォード・エスコートMk5
フォード・エスコートMk5

いすゞピアッツァ・ターボ(1981年)

1979年にジョルジェット・ジウジアーロがデザインした「アッソ・デ・フィオーリ(クラブのエースの意)」コンセプトは、やがてピアッツァとして1981年に生産を開始する。少し遅れて欧州でも販売が始まったが、エンジンや構造はやや時代遅れの感があり、また高価格だったため同市場での販売台数はごくわずかだった。

1987年のフェイスリフトでは、ロータスがチューニングしたサスペンション(ハンドリング・バイ・ロータス)が採用されたが、販売を助けるには十分ではなかった。現在では残存数も少なくなっているが、その斬新なデザインは今でも見飽きることはない。

いすゞ ・ピアッツァ・ターボ
いすゞ ・ピアッツァ・ターボ

ジャガーEタイプS3(1971年)

1961年に登場した初代Eタイプは、その輝かしいボディライン、圧倒的なパフォーマンス、素晴らしいドライビング・エクスペリエンスにより、まさにランドマーク的存在となっている。そのため、1971年に登場したシリーズ3(S3)は、どうしてジャガーが「絹の財布」を「豚の耳」に変えたのか、多くの人々に疑問を抱かせてしまった。

V12エンジンを積んだS3は、大きく、鈍重で、繊細さは皆無に等しかったが、米国市場には完璧なモデルとして受け入れられた。スポーツカーではなく、グランドツアラーを求めるのなら、今日でも有用だろう。

ジャガーEタイプ・シリーズ3
ジャガーEタイプ・シリーズ3

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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