次期メルセデスAMG GT 843馬力のハイブリッドクーペに! 2023年発売見込み

公開 : 2022.07.29 18:25

ボディ剛性向上 足回りは専用チューン

構造としてはオープントップのSLと同じモジュラー・スポーツ・アーキテクチャをベースにしているが、固定ルーフとリフトバックテールゲートに対応するよう手が加えられている。新型車の開発に携わった関係者によると、縦方向、ねじれ方向、横方向の剛性がすべて向上しているとのこと。

また、シャシーマウントを新たに開発し、オリジナルモデルのNVH特性や路面感度を向上させたという。一方、ボディにはアルミニウム、スチール、マグネシウム、カーボンファイバーが使用されている。

メルセデスAMG SLとは基本構造を共有する兄弟車となる。
メルセデスAMG SLとは基本構造を共有する兄弟車となる。

新型GTにおける大きな変更点として、SLSで初めて採用され、初代GTまで続いたリアトランスアクスルを廃止したことが挙げられる。これは、SLに見られるような4マチック+と後輪操舵を搭載するスペースを確保するためだ。

こうした変更に関わらず、前後重量配分は、従来の47:53から大きく変化していないという。

足回りとしては、新開発のアクティブ・ロールコントロール・サスペンションが採用され、フロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンク式で、スチールスプリング、可変ダンピング、油圧作動式ロールバーが組み合わされている。これもSLと同じセットアップだが、エラストキネマティック特性を変更し、「全く異なるドライビング・キャラクター」を与えるためのチューニングが施されている。

インテリアは、SLとほぼ同じ2+2の構成となる見込みだが、よりスポーツ性を強調するため、細部のトリムが変更されるだろう。

AMGを代表するV8エンジン搭載車

高性能セダンC 63とE 63、およびそれに近い高性能SUVが、次のモデルでV8エンジンをハイブリッドの2.0L 4気筒に切り換える準備を進めている。さらに、最新ハイパーカー「ワン」もF1由来のハイブリッドV6を搭載するなど、AMGの8気筒エンジンの時代が終わりつつあることは明白である。

現在、GT 4ドア・クーペやSL、GクラスGLS SUVなどで4.0L V8が搭載されているが、2023年に発表される新型GTとSクラスのハイブリッドモデルが、同エンジンを搭載するAMG最後の市販モデルとなりそうだ。

AMGハンマー
AMGハンマー

AMG初の公道向け市販モデルが誕生してから約40年。V8エンジンを搭載した最も派手で誇らしい作品をいくつか紹介する。

1986年:AMGハンマー

このスーパーサルーンのパイオニアは、大人気のW124型230Eをベースにして、同時代のBMW M5に対抗して登場した。AMGの将来を決定づけたモデルと言っても過言ではない。最も強力なモデルでは、高度に改良された6.0L V8を搭載し、ランボルギーニカウンタックとほぼ同等の0-100km/h加速5.0秒を達成できた。

1997年:メルセデスC 43 AMG

メルセデス・ベンツがAMGを買収した後、ベースとなったW202型Cクラスと同時に生産された最初のモデル。4.3L V8エンジンを搭載し、最高出力310ps、最大トルク41.7kg-mを発揮したこのモデルは、セダンとステーションワゴンが販売された。

2004年:メルセデス・ベンツSLRマクラーレン

SLRは、モータースポーツ界の2大ビッグネームが共同開発したスーパーカーである。ゴードン・マレーがデザインし、マクラーレンが英国で製造したこのモデルは、AMGの5.0L V8スーパーチャージャーによって600ps以上のパワーを発生し、この時代を代表するハイパフォーマンスカーとなった。

2012年:メルセデスC 63 AMGブラックシリーズ

標準のCクラスとは似ても似つかないハードコアなブラックシリーズ第4弾。忘れがたいコーナリング性能だけでなく、5.5L V8ツインターボの高い順応性によって、多くの評論家から「技術的にも戦術的にも大成功」と評価された。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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