自動車業界の「異端児」? シトロエン代表とパリで過ごした一日 クルマはどうあるべきか

公開 : 2022.08.01 18:05

クルマを「所有する」ということ

ヴァンサン・コベは、クルマの個人所有は当分続くと見ている。

「日本を見てください。都市部では、短距離の移動は公共交通機関を利用する人が多いのに、クルマを所有する人の割合は欧州よりも高いのです。都市部以外の移動には、やはりクルマが必要とされている。また、日本では10年前からビークル・トゥ・グリッド(V2G)のEV充電システムが実用化されていますが、欧州ではまだ始まったばかりです」

カーシェアリングや配車サービスが増える中、クルマの個人所有はまだまだ続くという。(アミ・バギーを背景に語るコベCEO)
カーシェアリングや配車サービスが増える中、クルマの個人所有はまだまだ続くという。(アミ・バギーを背景に語るコベCEO)    AUTOCAR

「カーシェアリングは、まだ理想的なビジネスモデルにはなっていませんが、もちろんうまくいく場合もあります。保険、清掃、給油、広告、クルマの移動、罰金の支払いなどを考えると、クルマ自体のコストは、総コストの20%にも満たないのが現状です」

「他の人が使ったばかりのクルマに行き当たりばったりに乗りたいと思う人は、どれくらいいるでしょうか?公共交通機関には問題があり、カーシェアリングにも問題がある。だから、クルマはまだ好まれるのです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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