800馬力のコンセプトカーが現実に? 仏DS 高性能EVクーペ、市販化の可能性を示唆

公開 : 2022.08.01 18:25

DSは、2月に公開したEVコンセプト「Eテンス・パフォーマンス」を限定生産する可能性があります。フォーミュラEマシンの3倍以上のパワーを持つ高性能クーペで、サーキット専用モデルとして販売されるかもしれません。

フォーミュラEより強力 DSがスポーツカー生産?

フランスの自動車ブランド、DSが今年2月に公開したコンセプトカー「DS Eテンス・パフォーマンス」が市販化される可能性が出てきた。最高出力815psの高性能EVであり、フォーミュラEの技術を詰め込んだサーキット専用の限定車として販売されることになりそうだ。

0-100km/h加速のタイムがわずか2.0秒と、市販化されれば史上最速クラスのEVになるが、DSのベアトリス・フシェCEOはAUTOCARに対し、価格は「非常に高くなるだろう」と語っている。

DS Eテンス・パフォーマンス・コンセプト
DS Eテンス・パフォーマンス・コンセプト

Eテンス・パフォーマンスは、2016年のジュネーブ・モーターショーで披露された「Eテンス」コンセプトを大幅に改良した電動スポーツクーペで、「ハイパフォーマンスの実験室」と表現されている。フォーミュラEチームのDSパフォーマンスが設計した新しい電動パワートレインを採用し、フロントに最高出力340ps、リアに475psのモーターを搭載。合計815psというフォーミュラEマシンの3倍以上の出力と、815kg-m(8000Nm)のトルクを実現した。

2014年にシトロエンから分離して独立ブランドとなったばかりのDSは現在、スポーツに特化したクルマを販売しておらず、DS 4、DS 7、DS 9といったモデルを中心に、高級車市場をターゲットとしている。

ロンドンで開催されたePrixで、フシェCEOは次のように語っている。

「当社はスポーツカーを作ることはありません。ブランドのポジショニングとは異なるからです。しかし、(DS Eテンス・パフォーマンスの)プロトタイプを見たとき、誰もが『こういうクルマを作れたらいい』と口にしました。とはいえ、まだ決定したわけではありません」

「もし決定すれば、(フォーミュラEから学んだ)技術を組み込むことになるので、ホモロゲーションの観点からもサーキット専用モデルとなります。サーキット用のクルマを作るとなると、非常に少量生産でコストや価格も非常に高くなるというです」

「何かいいアプローチを見つけられるかどうか、まだわかりません。ですが、みんなこのクルマを気に入ってくれましたし、わたし達にとっても良いことだと思います」

アルファ・ロメオなど、同じステランティス傘下のスポーティブランドから、市販モデルのアイデアや技術を引き出すことができるかと尋ねると、フシェCEOは次のように答えた。

「ステランティスが開発しているパワートレイン、バッテリー、電動モデルなどの技術は、一般的にすべてのプレミアムブランドに適合するものです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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