歴代最速 第3世代フォーミュラEマシン、ロンドンで一般公開 今年末に初レースも
公開 : 2022.08.01 18:45
フォーミュラEの第3世代(Gen3)マシンが英国でお披露目されました。空力、出力、効率、サステナビリティが向上し、これまでで最速の電動レーサーと謳われています。
高性能・効率性・持続可能性の頂点
第3世代(Gen3)となる新型のフォーミュラEマシンが、ロンドンで公開された。空力性能の向上、電力効率の改善、そして最高速度320km/h以上を達成する、これまでで最速の電動レーサーとされている。
デビューを飾るシーズン9を前に、現行モデルから大きく進化したエクステリアと技術を披露。今年末には、初レース出場を予定している。
モータースポーツの統括団体FIAによると、Gen3マシンはストリートサーキットでのレース向けに特別にチューニングされ、「高性能、効率性、持続可能性の頂点」を表現しているという。
現行のGen2 Evoからさまざまな改良が加えられており、新しいモーターセットアップで最高出力475ps(350kW)を発生し、最高速度は320km/hを超えるとのこと。また、フォーミュラカーとして初めて前後に異なるパワートレインを搭載し、回生能力は現行車の2倍以上となる600kWに向上している。
フロントモーターの追加により、リヤの油圧ブレーキが不要になったほか、600kWの超急速充電が可能となっている。
サステイナビリティも強化された。不要になったバッテリーはリサイクルされ、再利用される。また、車体の多くは麻やリサイクル・カーボンファイバーで構成され、CO2排出量を10%以上削減できるという。タイヤも、約26%は天然ゴムと再生繊維で構成されている。
新時代を迎えるEVレースシリーズ
フォーミュラEシリーズの創設者で会長のアレハンドロ・アガグは、今年4月にモナコで行われた発表会で、次のように述べている。
「Gen3はフォーミュラEの野心作であり、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の第3世代を象徴するものです。世代を重ねるごとに、我々はEV技術の可能性の限界をさらに押し広げており、Gen3はこれまでで最も野心的なプロジェクトです」
「モナコePrixでは世界中の注目を集めており、このモータースポーツの歴史的な故郷で、2年の歳月をかけて制作されたマシンを公開できることを誇りに思います」
「フォーミュラEとFIAの素晴らしいチームに感謝します。EVレースの未来は明るいでしょう」
フォーミュラEシーズン9には、DS、ジャガー、マヒンドラ、マセラティ、ニオ、日産、ポルシェの7つの自動車メーカーが参戦を表明している。さらに、モータースポーツを手がけるアンドレッティ、エンビジョン、テチーターが加わる。
フォーミュラEのジェイミー・ライグルCEOは次のように語っている。
「FIAとともに、フォーミュラEファンにGen3を公開し、ABB FIAフォーミュラE世界選手権においてエリートスポーツ、ハイパフォーマンス、サステナビリティがいかにうまく共存できるかを広くスポーツ業界に示すことを誇りに思います」
「2023年に我々のチームとドライバーがどのようにマシンの限界に挑むのか、待ち遠しい限りです」