ポルシェカイエン・ターボGT(640ps)

ポルシェは、カイエン・ターボGTに驚くほど多くのレースノウハウを注ぎ込んだ。4.0L V8エンジンのパワーアップ、軽量化、チタン製エグゾーストシステムの採用など、ターボを大きく進化させたクーペモデルだ。

SUVの中で最強のモデルというわけではないが、SUVとしては比類ないハンドリングを実現しているのである。2021年、カイエン・ターボGTはニュルブルクリンクで7分38秒9というタイムを残し、RS Q8の記録を塗り替えた。

ポルシェ・カイエン・ターボGT
ポルシェ・カイエン・ターボGT

ランボルギーニウルス(650ps)

イタリアが誇るハイパフォーマンスSUV、ランボルギーニ・ウルスは、ベントレーベンテイガやポルシェ・カイエンなどとプラットフォームを共有する。当初のコンセプトでは、ガヤルドと共通の5.2L V10を採用していたが、2018年に登場した市販モデルは、しっかりと調教された4.0L V8ツインターボとなっている。

「レイジングブル」のエンブレムをSUVにつけるのはリスキーな賭けだったが、結果的にそれが功を奏し、今夏までに累計2万台の販売を達成している。ライバルのフェラーリもこの流れに乗りたがっているので、来年あたりには「跳ね馬」と「暴れ牛」による史上初のSUV対決が見られるはずだ。

ランボルギーニ・ウルス
ランボルギーニ・ウルス

ポルシェ・カイエン・ターボS Eハイブリッド(680ps)

ドイツ最強のSUVが、ポルシェの紋章をノーズにつけていると知って驚く人は少ないだろう。カイエン・ターボS Eハイブリッドは、お馴染みの4.0L V8ツインターボと電気モーターを搭載し、軽くない車重を克服してスポーツカーに匹敵する加速を実現しているのである。

48Vシステムによるアンチロール機能などのトリックもあって、カイエンはその大きさからは想像できないほど、堂々としたターンを見せる。

ポルシェ・カイエン・ターボS Eハイブリッド
ポルシェ・カイエン・ターボS Eハイブリッド

ジープグランドチェロキー・トラックホーク(707ps)

ジープとパフォーマンスの相性は、ハギス(世界一まずいスコットランド料理)とアイスクリームと同じくらい険悪だと思われるかもしれない。しかし、実際には驚くほどうまく出来ている。ジープは兄弟ブランドのダッジからスーパーチャージャー付き6.2L V8エンジン「ヘルキャット」を拝借し、グランドチェロキーに詰め込んでトラックホーク仕様を作ることで、長年にわたって最もパワフルなSUVの座に君臨してきたのである。

テキサス州に拠点を置くヘネシーなどのチューナーは、このモデルからさらにパワーを引き出しているが、それは今回のランキングの範囲外である。

ジープ・グランドチェロキー・トラックホーク
ジープ・グランドチェロキー・トラックホーク

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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