ラ・フェラーリのシャシーx812のV12 フェラーリ・デイトナ SP3へ試乗 五感で堪能する跳ね馬 前編

公開 : 2022.08.03 08:25

840psの6.5L V12で価格は296 GTBの7倍

デイトナ SP3のデザインが与える強烈な印象は、永久的に衰えることがないように思える。数m離れた場所から眺めているだけでも、幸せな気持ちになる。

フェラーリポルトフィーノやローマ、F8 トリブートも見応えがある。812 コンペティツィオーネも。それでも、数時間は鑑賞できると感じるほどではないだろう。

フェラーリSP3 デイトナ(欧州仕様)
フェラーリSP3 デイトナ(欧州仕様)

モンツァ SP1とSP2も斬新なスタイリングだったことは間違いないが、実用性は見るからに軽視されていた。このSP3は、美しいだけではない。2013年以降のフェラーリで、最高のデザインだと断言したい。

ちなみに、価格は296 GTBより約7倍も高いが、それより速くない可能性がある。オーナーになる予定の方は、知っておいても良いかもしれない。

車重と最高出力は拮抗しているものの、296 GTBはターボチャージャーとハイブリッドが組み合わされた3.0L V6エンジンを搭載する。一方のデイトナ SP3は、840psを発揮する6.5Lの自然吸気V型12気筒が載っている。

パワーウエイトレシオは近似していても、パワーを発生させる特性では前者の方が有利だからだ。まだ、296 GTBのステアリングホイールを実際に握ったことはないけれど。

サウンドは素晴らしい。費用対効果という視点で、デイトナ SP3を客観的に捉えてはいけない。どれだけ速く走れるのか、サーキットのラップタイムを何秒削れるのかを、追い求めたクルマではない。

フェラーリは自社のテストコース、フィオラノのラップタイムを公表していない。最速でなくても構わない。体験自体に、重きが置かれているのだ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アンドリュー・フランケル

    Andrew Frankel

    英国編集部シニア・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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