みんなの憧れ ガルウィングドアを採用したクルマ 17選 名車から謎車まで

公開 : 2022.08.07 06:05

メルセデス・ベンツC111 – 1970年

コンセプトカーのように見えるが、実際には16台のC111が製造されている。量産車というわけでもない。それは、300SLで初めて採用したガルウィングドアを再び使用するなど、新しい技術を試すために作られたからだ。

C111は自動車デザイナー、フリードリッヒ・ガイガーの作品であり、ガルウィングドアもデザインの重要な一部であった。技術的なチャレンジというよりも、モーターショーに出展したときに、ジャーナリストの目に留まるようにするために採用されたのである。しかし、オイルショックにより量産化は断念せざるを得なくなった。

メルセデス・ベンツC111 - 1970年
メルセデス・ベンツC111 – 1970年

Siva 160 – 1971年

Siva 160は、英国のスペシャリティカーメーカー、Siva Engineering社が手がけたモデルであり、ガルウィングドアを採用したのはデザイナーのネヴィル・トリケットの提案である。

フォルクスワーゲンビートルのプラットフォームをベースとしたため、製造コストは安かったが運転する楽しみは少なく、わずか12台しか作られていない。しかし、この時代のスペシャリストカーとしては最高レベルの完成度を誇り、これを実現した頭脳集団の功績は大きい。

Siva 160 - 1971年
Siva 160 – 1971年

ブリックリンSV-1 – 1974年

ブリックリンSV-1は、その誕生から生産に至るまでに大きな変化を遂げている。当初はマルコム・ブリックリンの発案により、安全性を重視したガルウィングドアのクルマを作ろうということで、エネルギー吸収ガラス繊維のボディが採用された。しかし、1974年に発売された時点で、生き残ったアイデアはこのドアだけだった。エンジンも4気筒からV8に変わり、コルベットのライバルとして登場したのである。

ガルウィングドアは電動油圧式の開閉機構を採用しており、ボタン1つで操作できたが、40kgもの重量を持ち上げるために最大12秒もかかってしまう。さらに、モーターに負担をかけないようにするため、一度に1枚ずつしか操作できない。

ブリックリンSV-1 - 1974年
ブリックリンSV-1 – 1974年

エンビーサ・チャージャー – 1977年

1970年代のキットカーブームは、多くの自動車デザイナーたちの夢を現実のものにしたが、エンビーサ・チャージャーは、その中でも特に完成度の高い作品であった。フォルクスワーゲン・ビートルのシャシーをベースに、低く構えたルックスを持たせ、大型ガルウィングドアを装備した2シーターである。

1982年に登場したチャージャー2は、4人乗りで、ロータス・エスプリを意識した丸みを帯びたルックスとなっている。ガルウィングドアはそのままに、90台が完成。初期モデルとあわせて510台が販売された。現在では、空冷フォルクスワーゲンにノスタルジーを求める人たちの間で注目度が高まっている。

エンビーサ・チャージャー - 1977年
エンビーサ・チャージャー – 1977年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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