みんなの憧れ ガルウィングドアを採用したクルマ 17選 名車から謎車まで

公開 : 2022.08.07 06:05

ブリストル・ファイター – 2004年

ブリストル・カーズのやることだ。物事が一筋縄でいくはずがない。ファイターの発売でも、ちょっとしたゴタゴタがあった。当初はアルミニウム製を想定していたコア構造は、途中でスチール製となったのだ。しかし、ガルウィングドアはカーボンファイバー製で、軽量と乗降性を確保した。

航空機製造にルーツを持つブリストルらしく、この「ファイター」のドアはよく似合う。ダッジバイパーから流用した8.0L V10エンジンにより、0-97km/h加速4.0秒、最高速度338km/hを達成。しかし、7年間でわずか13台しか売れなかったため、あまりにも寂しい幕引きとなってしまった。

ブリストル・ファイター - 2004年
ブリストル・ファイター – 2004年

グンペルト・アポロ – 2005年

ローランド・グンペルトは、理想のクルマを実現するために、レースにインスパイアされたガルウィングドアをアポロに採用する。ル・マンの耐久レーサーをそのまま市販化したかのようなデザインだが、サーキット走行も可能な公道向けモデルとして設計されている。

コックピットへ乗り込むのはそれほど難しくもないが、キャビンはちょっと窮屈な感じ。アウディ製の4.2L V8ツインターボに火を入れると、最高出力650psを発揮し、0-97km/h加速は2.9秒をマークする。現在は後継のインテンサ・エモツィオーネにバトンタッチしているが、ガルウィングドアは健在である。

グンペルト・アポロ - 2005年
グンペルト・アポロ – 2005年

メルセデス・ベンツSLS AMG – 2010年

メルセデスが2010年に発表したスーパークーペ、SLSでは、初代300SLのすらりとしたイメージを再現しようとした。しかし、ドア以外の部分ではSLRマクラーレンを踏襲しており、V8エンジンの獰猛なサウンドや、ハンマーで叩きつけるようなパフォーマンスも、特徴の1つとなっている。

それでも、SLSの最大の注目点は、そのドアである。ドアを開けるときに飛び出す可憐なドアハンドルは、見ていてとても楽しい。ドアを開けるときはガスダンパーによってかなり軽くなっているが、重量増を理由に電動アシスト非搭載のため、下ろすのは大変。乗り降りに関しては、初代のガルウィングと同じで、運動性能と気の利かなさがミックスされている。

メルセデス・ベンツSLS AMG - 2010年
メルセデス・ベンツSLS AMG – 2010年

パガーニ・ウアイラ – 2012年

センセーショナルなゾンダに続くセカンドアルバム、ウアイラ。パガーニにとってはかなり困難な開発プロジェクトであったが、設けられた課題は見事に克服している。ゾンダより明らかにスマートでパワフル、しかも速く、運転しやすくなっている。同時に、ガルウィングドアにもこだわっている。

ドアはこの種のクルマとしては驚くほど実用的。高い位置まで持ち上がり、シルも低くできているので、乗り降りが非常に楽なのだ。ロードスター仕様もガルウィングドアを採用するという話があったが、最終的には通常のヒンジドアになった。

パガーニ・ウアイラ - 2012年
パガーニ・ウアイラ – 2012年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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