クルマ業界最大のライバル関係 20選 切っても切れない腐れ縁? 永遠の「好敵手」
公開 : 2022.08.06 18:05
フェラーリ vs ランボルギーニ
フェルッチオ・ランボルギーニ(1916-1993)は、北イタリアの裕福なトラクター製造者であったが、自身のフェラーリの修理に金を使うことに嫌気がさし、1963年に自ら自動車メーカーを立ち上げる。ランボルギーニは、誕生した瞬間からフェラーリを宿敵と捉えていたのだ。
エンツォ・フェラーリ(1898-1988)は、当時は小さな会社が作る高級クーペが珍しくなかったので、ランボルギーニの第1号車350 GTにはあまり関心を示さなかったようだ。しかし、1966年に発表されたミドエンジンのミウラは無視できなかった。このクルマは、スーパーカーという分野そのものを永遠に変えてしまったのである。1973年、後を追うように、フェラーリ初のV12ミドシップ車が登場する。
フェラーリとランボルギーニの対決は現在も続いている。この戦いで生まれたエキゾチックなマシンの数々は、世界中の人々に大きな驚きと喜びを与えてきた。フェラーリは長年にわたってフィアットの傘下にあったが、2016年に独立。ランボルギーニは1998年以来、フォルクスワーゲンの傘下で繁栄してきたが、ランボルギーニには、フェラーリのようなレースの歴史がほとんどない。
プジョー vs ルノー
フランスの2大自動車メーカー、プジョーとルノーは1世紀以上にわたって国内外で競争を続けている。ルノーはしばしばトップに立つが、プジョーも遅れをとることはなく、2010年代にはGMからオペル/ヴォグゾールを買収するなど、規模を拡大している。
2019年、プジョーを所有するPSAグループはフランス最大の自動車メーカーであったが、最も売れているブランドはルノーであった。PSAはDSブランドで高級車市場を開拓しているが、ルノーは低価格ブランドのダチアで足元を固めている。
2021年、PSAはFCAと合併し、全14ブランドを擁するステランティスへと発展。ルノーと日産の提携が崩れつつある中で、競争に新たな局面をもたらすだろう。
テスラ vs その他大勢
2006年にロータス・エリーゼをベースにしたロードスターが登場したとき、テスラのことを真剣に考えた人はほとんどいなかった。自動車の歴史においては、野心的な計画に資金力が追いつかなかった新興企業が数多く存在する。テスラもそうなるだろうと予想していた人は、決して少なくないはずだ。
しかし、2012年に発表したモデルSは、世界中の自動車メーカーを驚かせた。テスラが一から自社設計したEVでありながら、既存のメーカーと十分に張り合うことが出来たのだ。
テスラは高級EV市場でほぼ独占状態を横臥し、日産を差し置いてEVのパイオニアなどとも呼ばれるようになった。他社も徐々に高級EVに目覚め、2019年にはようやくモデルSのライバルとなるポルシェ・タイカンが登場した。
今やほぼすべての主要メーカーが、テスラをターゲットにしたEVモデルを少なくとも1台、忙しく開発している状況だ。メルセデス・ベンツ、アウディ、BMW、フォード、日産といった古参メーカーだけでなく、フィスカーやルーシッド、リビアンなど新興企業も続々と参戦。 競争は日に日に激しさを増している。