ジープグランドワゴニア vs ランドローバーレンジローバー

ジープのグランドワゴニアとランドローバーの初代レンジローバーは、本来ならお互いにライバルとなるはずもない存在だった。大西洋を隔て、ターゲットとするユーザー層もまったく違う。

しかし、1980年代後半、ゴージャスなSUVへの需要が米国全土で高まる中、両者のテリトリーは一時的に重なり合ったのだ。その時点ですでに発売から10年以上経つ古いモデルだったが、見事に需要を満たしていた。

ジープ・グランドワゴニア
ジープ・グランドワゴニア

1990年代に入ると、このライバル関係は大きく揺らいでいく。レンジローバーは徐々に高級化し、グランドワゴニアは大衆志向のグランドチェロキーに置き換えられたのである。しかし、最近になってジープがグランドワゴニアの名を復活させ、ラインナップの頂点に君臨するフラッグシップSUVとした。世界一の座をかけて、両者は再び対決することになる。

ランドローバー・シリーズ vs トヨタランドクルーザー

1950年代から1970年代にかけて、ランドローバーのシリーズI、II、IIIとトヨタのランドクルーザーは、多くの探検家たちを未開の地や過酷な環境に送り出した。シンプルな構造ゆえに壊れても修理しやすく、その比類なきオフロード性能により、他の四輪駆動車が立ち往生するような地形でも踏破することができた。

ランドローバーは1983年にシリーズIIIから90/110(後に初代ディフェンダーとなる)を発売。トヨタは1984年に70系ランドクルーザーを発売したが、驚くことに2020年代に入ってからも一部市場で生産が続けられている。

トヨタ・ランドクルーザー
トヨタ・ランドクルーザー

2021年に登場した新型ランドクルーザー300と、2019年に発表された新型ディフェンダーは、日英を代表するオフローダーとして甲乙つけがたい魅力を放っている。

三菱ランサーエボリューション vs スバルWRX STI

この2つのスポーツカーの対決は、世界ラリー選手権(WRC)で始まった。フィンランド人ドライバーのトミ・マキネンは1996年、1997年、1998年、1999年に三菱ランサーエボリューションを駆ってドライバーズタイトルを獲得し、スバルは1995年から1997年にかけてインプレッサ(まだWRX STIと呼ばれていなかった)がコンストラクターズタイトルを獲得している。

今では両社ともにラリーから撤退したが、ライバル関係は公道で続き、2000年代にはゲームの世界でも定番のライバルとなっている。

三菱ランサーエボリューション
三菱ランサーエボリューション

2022年現在、WRX STIの勝利は明らかである。新型も登場して生産が続けられている一方、三菱は2016年にランサーエボリューションの生産を終了した。SUVで車名が復活するのではないかとの噂もあるが、わたし達が知っている愛しいランエボは、もう拝めないのだろうか。両者の対決も、もう一度見たいものである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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