トヨタ・クラウン50年ぶり復活に沸く米国 現地ファンがちょっと残念に思うワケ

公開 : 2022.08.16 05:45

旧車界隈での有名人はどう見る?

最後に、テリー山口さんにご紹介いただいた「すっごいクラウンに乗ってるオーナー」に新型クラウンについて聞いてみた。

オーナーはアメリカ旧車界隈で超有名人のジャネット・フジモトさん。

米国のトヨタ・クラウンとジャネットさん
米国のトヨタ・クラウンとジャネットさん

彼女のクラウンは1970年型「MS55」と呼ばれる左ハンドル車で、エンジンは92年型レクサスSC300から移植した2JZに換装している。クラウンにマッスルカーを超える改造を施している。

ジャネットさんは静かに語る。

「古い時代のクラウンの魅力は、ユニークであり、他にない個性的なセダンです。ここカリフォルニアでは誰も持っていません」

「クラウンが50年ぶりに米国で販売されることについてはなつかしく、そして感傷的な思いがあります。だけど、アメリカではクラウンを知らない人がほとんどなので、新しいトヨタのフラッグシップだと思うでしょう」

「新型クラウンはとてもモダンになったクルマです。現代的で新しい時代を象徴するクルマになりました。でも、古く貴重なクラウンを所有するわたしとしては、単に王冠マークのバッジをつけるということではなく、先代までのクラウンから継承されることが、もう少しあってもよかったかなと思います」

アメリカでは50年ぶりの復活。

日本のオーナーでも驚く変貌ぶりゆえ、アメリカのトヨタファンにしてみれば、かつての面影など微塵もないと感じるだろう。

ただ1つ共通することがあるとしたら、それは「高級車としての品格」そして「放たれるオーラ」だろうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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