競争力大幅アップの8代目 ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボへ試乗 装備充実

公開 : 2022.08.30 08:25

パワフルな1.2Lターボ アウトバーンにも対応

最高出力は130ps、最大トルクは23.4kg-mと、同じユニットを積むプジョー308と変わらない。0-100km/h加速は9.7秒と驚く数字ではないものの、充分なパワフルさがある。1500rpm前後から不満ないトルクが発揮され、クルージングもしやすい。

英国仕様の場合、トランスミッションは2種類。8速オートマティックは、鋭い加速を求めると反応に鈍さを感じるものの、全般的に仕事は滑らか。6速マニュアルはシフトレバーのストロークが長いものの、変速時の感触は好印象だ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)

基本的には、渋滞の多い環境なら8速ATがベターだろう。それ以外なら6速MTをオススメしたい。英国価格も1500ポンド(約25万円)お手頃だ。

ステアリングフィールは充分に正確。操る楽しさでいえば、勝るライバルは存在するけれど。姿勢制御は優れており、長い周期で路面がうねっているような区間でも、息を合わせて落ち着きが保たれていた。パワフルなPHEVでも、心強いシャシーといえる。

オペルは、アウトバーンへ不足なく対応するとアストラへの自信を見せる。高速走行時の安定性は確かに高い。その一方でサスペンションは硬めで、乗り心地は多少犠牲になっている。小さな入力を吸収しきれず、車内へ振動が伝わりがちだった。

内燃エンジン時代のオペルのアンカー

8代目へモデルチェンジしたオペル・アストラは、間違いなく7代目から競争力を高めてきている。リアシート側の空間などを踏まえると、このクラスのハッチバック最上位に据えられるほどではないとはいえ。

シャープなスタイリングや、モダンなインテリアにふんだんな車載技術などで抜かりはない。内燃エンジン時代のオペルのアンカーを、不足なく担える内容だといっていい。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)

ヴォグゾール(オペル)・アストラ 1.2ターボ 130 GSライン(英国仕様)のスペック

英国価格:2万7210ポンド(約448万円)
全長:4374mm
全幅:1860mm
全高:1441mm
最高速度:209km/h
0-100km/h加速:9.7秒
燃費:17.6-18.5km/L
CO2排出量:123-128g/km
車両重量:1266kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.3kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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