中古で買うなら? BMW Mモデル 海外の自動車ライターが選ぶ至高の1台

公開 : 2022.08.12 18:25

スティーブ・クロプリー:BMW M3 CSL(E46)

わたしがE46 M3 CSLを分類するなら、「ラディカル・オールラウンダー」となる。25年前、電動化によってガソリン車の進むべき方向が狂い始める前に、のんきに考え出されたこのクルマは、ICE車の頂点に立っている。でも、手に負えないほど特別なものではない。

BMWのレース狂のエンジニアが苦労して110kgも軽量化したM3 CSLは、その後に登場したどのクルマよりも小さく、すっきりしていて、低い。車両重量は1400kgを下回っているにも関わらず、ボンネットの下には、それまでドライバーズカー・メーカーとしてのBMWの名声を支えてきた直列6気筒エンジンが搭載されている(最高出力355ps)。

BMW M3 CSL(E46)
BMW M3 CSL(E46)

M3 CSLに乗ると、ドライビングのために慎重に構成されたクルマであることが実感できる。コントロールウェイトは肉厚だが美しくマッチしており、レスポンスは迅速かつ正確で、硬めのサスペンションも十分に減衰し、たくさん使うクルマとして才能を発揮する。

希少性の高さゆえに、たとえハンドルを握ることが多くても、その価値は決して消えない。もし自分が所有するとしたら、ずっと乗り続けるだろうと思っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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