EVの霊柩車 ロングボディの日産リーフ、海外で注目度アップ 電動ならではの課題も

公開 : 2022.08.15 18:05

注目度は高いが車両重量に課題も

リーフの霊柩車仕様は10万9950ポンド(約1770万円)からで、ジャガーXJの霊柩車仕様14万5000ポンド(約2340万円)より安くなっている。ウィルコックス社は、7月にロンドンの王室葬儀を担当する葬儀社Leverton & Sons社にリーフ霊柩車を納車した。現在、他の葬儀会社からも12台を受注しており、今後4か月の間に納車する予定である。

一方で、懸念もある。英国では2030年にガソリン車とディーゼル車が、2035年にはハイブリッド車の販売が禁止される。しかし、ウィルコックス社は、EVの霊柩車への改造、特に英国の葬儀業界が慣れ親しんでいる8人乗りのリムジンについては、厳しい時期が続くと予測している。

ウィルコックス・リムジン社が開発した日産リーフの霊柩車仕様
ウィルコックス・リムジン社が開発した日産リーフの霊柩車仕様    AUTOCAR

「車両積載量が問題です。公称積載量を最大25%増やすことが認められていますが、これには改造の追加重量と乗車定員の重量が含まれています。EVはもともと重いクルマなので、ガソリン車やディーゼル車よりも積載量が少なく、乗員を増やすことは難しいのです」

そのため、まだしばらくは従来の化石燃料で走る霊柩車やリムジンが主力となることが予想される。EVが十分に軽量化されれば、電動の葬儀車両も普及していくだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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