EV化するBMW M3 高性能部門初の電動Mモデルへ 伝統的なフィーリング維持

公開 : 2022.08.15 19:25

EVは究極のMモデルに?

「Mモデル」のEVは、はるかに走りに特化したものになるとAUTOCARは考えている。ヴァン・ミールCEOは、電動スポーツカーの共通課題である車両重量を最小限に抑えることと、Mモデル特有のダイナミクスを維持することが優先されるだろうと示唆した。

EVがICE車より重いという点について、ヴァン・ミールCEOは「軽量化技術に投資し続ける必要があります。ですが、EVにはいくつか利点があります。例えば、遮音材の一部を取り除くことができますし、エンジニアはバッテリーの重量軽減に取り組んでいます」と語る。

耐久レースに復帰するBMWの最新LMDhマシン、MハイブリッドV8
耐久レースに復帰するBMWの最新LMDhマシン、MハイブリッドV8    BMW

これらの技術は、すでに市販車への導入が始まっている。「XMは重心が低いので、ボディコントロールは素晴らしいですね。スプリングやダンパーを柔らかくしても、ロールが起きないのです」

さらにヴァン・ミールCEOは、モータースポーツ活動を通じて開発された技術の応用についても触れている。BMWの新型LMDhマシン(MハイブリッドV8)はその名の通りハイブリッドV8を搭載している。CEOはこうしたレーシングカーの開発が将来の市販車開発に役立てられると述べた。

「長距離レースは、ドライブトレインの技術と密接に関係していることがおわかりいただけると思います。LMDhのプロトタイプは、エアロダイナミクスから冷却まで、多くの学びを与えてくれました」

また、Mモデルの電動化によって得られる恩恵としては、「ドライブトレインに電動化されたコンポーネントを導入すると、トルクと馬力のコントロールが内燃機関よりもずっと速く、簡単になります。レースでは特に」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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