ダッジ・ランサーGT 2ドア・ハードトップ(1962年)

1962年、米国の自動車メーカーがまたもやGTエンブレムを掲げた。ダッジは1962年モデルで、ランサーのハードトップ仕様をGT 2ドア・ハードトップと改名し、厚手のカーペット、バケットシート、ダッシュボードのウッドトリム、フルホイールカバーを装備してアップグレードした。

最高出力101psを発揮するクライスラー・グループのスラント6気筒エンジンを搭載し、高性能モデルとして販売された。

ダッジ・ランサーGT 2ドア・ハードトップ
ダッジ・ランサーGT 2ドア・ハードトップ

1963年モデルでは、ランサーに代わり、3代目ダートが発売された。ダートには、コンバーチブルとクーペの最上級モデルとしてGTが存在し、4代目のスポーツモデルにもGTSの名が与えられている。

2013年には、兄弟ブランドのアルファ・ロメオジュリエッタをベースとした5代目ダートが登場。その最高級仕様にGTのバッジが付けられたが、残念ながらその期待に応えられたとは思えない。

アルファ・ロメオ・スプリントGT(1963年)

1960年代初頭、自動車メーカー各社はGTのエンブレムに秘められたマーケティング力を見出し始めていた。アルファ・ロメオは1963年、ジュリエッタ・スプリントの後継としてベルトーネデザインの上級クーペ、ジュリア・スプリントGTをデビューさせる。

このモデルは後に、パワフルなジュリア・スプリントGTヴェローチェ(後のGTV)、オープンカーのGTC、エントリーモデルのGTジュニア、レース仕様のGTAとGTAmへ進化していく。

アルファ・ロメオ・スプリントGT
アルファ・ロメオ・スプリントGT

アルファはジュリア系クーペの生産終了後も、GTのエンブレムを残している。ジュリアベースのGTVに代わって登場したのがアルフェッタGTで、後にGTVとGTV6に姿を変えた。1994年には前輪駆動のクーペにGTVの名が復活し、2003年には156ベースのクーペにGTの名が使われている。

ランボルギーニ350 GTV(1963年)

フェルッチオ・ランボルギーニは、自身の会社が初めて世に送り出したクルマを350 GTVと名づけた。この数字はV12エンジンの排気量3500ccを意味し、生まれたばかりの会社がマセラティフェラーリといったビッグネームと並んでグランツーリスモのセグメントを走ろうという意志が込められている。

1963年のトリノ・モーターショーでプロトタイプとして発表された350 GTVは、ランボルギーニが期待したような反応を得ることができず、再び図面に向き合うことになる。デザインは一新され、V12エンジンは改良され、350 GTという新しい名称が与えられた。こうしてランボルギーニ初の量産車が誕生する。1966年には、4000ccのV12を搭載した400 GTに変更された。

ランボルギーニ350 GTV
ランボルギーニ350 GTV

ランボルギーニの使命は、常にGTカーを作ることであった。1970年代には、いくつかのモデルにこの名称(およびGTSなどのバリエーション)が付けられた。それ以降も、限定モデルのディアブロGTを筆頭に、たびたび登場している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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