三菱ギャランGTO(1970年)

1960年代、GTOの名は世間に知れ渡っていたに違いない。フェラーリポンティアックの成功を受け、三菱も1970年にコルト・ギャランをベースにクーペを発表し、人気を博した。全長約4.1mと小柄ながら、フォードマスタングなど米国のマッスルカーを彷彿とさせる巧みなスタイルが特徴的だ。

ギャランGTOは1977年に生産終了したが、1990年には新型クーペとしてGTOが登場。北米市場向けには3000 GTという名が与えられた。

三菱ギャランGTO
三菱ギャランGTO

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(1975年)

GTと名のつくクルマの中で、おそらく最も認知度が高いものの1つが、1975年に初代が誕生したフォルクスワーゲン・ゴルフGTIであろう。ゴルフの「GTI」は、「グランツーリスモ・インジェクション」の頭文字をとったもので、オイルショック後の新車市場を席巻した自動車業界の変化を体現していた。元来のGTカーのコンセプトとはまったく異なるものだ。

大きくなくても、高級でなくても、超高速でなくても、パワフルな加速と鋭いハンドリングがあれば、それだけでいい。ミニは1275 GTでその主張を掲げ、フォルクスワーゲンもそれに応えた形だ。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

ゴルフGTIは、ホットハッチの元祖と認識されていることもあるが、実際にはアウトビアンキA112アバルトがそれにあたる。しかし、ホットハッチというジャンルをほぼ独力で世界中に普及させたインフルエンサーであることに違いはない。

GTIの成功に後押しされ、フォルクスワーゲンは1982年にターボディーゼルを搭載したGTDを、2014年にはプラグインハイブリッドのGTEを発表し、ゴルフファミリーを拡大している。

シトロエンCX GTi(1977年製)

1960年代、シトロエンとGTカーは共鳴しない言葉だと考えられていた。2CVのGTなんて、想像できるだろうか?しかし、マセラティと提携を結んだことで、SMが誕生。典型的なグランドツアラーと言えるが、GTのエンブレムは付けられなかった。

1977年、シトロエンはついに、CXのフューエルインジェクション仕様車として2400 GTiをローンチする。128psのエンジンを搭載し、ブラックのエクステリアトリム、フォグランプ、ヘッドレスト一体型のシートが採用された。その後、ヴィザ、BX、AXの各モデルにGTおよびGTiの名が与えられている。

シトロエンCX GTi
シトロエンCX GTi

現在、シトロエンはパフォーマンス志向を脇に置き、快適性に焦点を当てている。2019年まではWRC世界ラリー選手権に参戦していたので、例えばC3 GTなどを作ってもよかったのだが、今のところは距離を置かれている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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