アメリカの高級SUV復活 ジープ・ワゴニアへ試乗 5.7L V8 MHVで397ps 直6も予定

公開 : 2022.08.28 08:25

ジープのフラグシップモデル、ワゴニアが復活。英国編集部は、狙い通りのプレミアムなフルサイズSUVだと評価します。

フレームとボディが別体の高級SUV

ジェラシック・ワールドの最新作をご覧になり、俳優のクリス・プラット氏がドライブする、1989年式ジープ・グランド・ワゴニアへ目が奪われた方もいらしゃるだろう。豪華なウッドパネルが懐かしい。

DNAから蘇った劇中の恐竜とは違うものの、ジープ伝統のワゴニアも、この度復活を果たした。親会社のステランティス・グループが目指している、プレミアム路線拡大の一環として。

ジープ・ワゴニア(北米仕様)
ジープ・ワゴニア(北米仕様)

ジープらしく、トラディショナルなシャシーフレームとボディが別体の構造を採用し、10インチ(254mm)の最低地上高が確保されている。渡河水深は約600mmまで対応する、本格的なオフローダーだ。

新しいワゴニアには、2種類が存在する。主な市場となる北米では、シボレー・タホやフォードエクスプローラーといったフルサイズSUVと競い合うのが、今回試乗した通常のジープ・ワゴニア。シリーズIIというトリムグレードだった。

もう一方は、キャデラックエスカレードやリンカーン・ナビゲーターといった、より高級なフルサイズSUVに位置づけられるジープ・グランド・ワゴニア。新しいレンジローバーなどとも、伍することになる。

エンジンは5.7Lか6.4LのV8 追って直6も

そんなワゴニアだが、当面は英国への上陸が予定されていない。ジープは2022年末をもって、内燃エンジンのみで走るモデルを欧州市場からすべて引き上げる計画を立てているためだ。

今のところ選択できるパワーユニットは、V8ガソリンエンジンのみ。通常のワゴニアには5.7Lのスモールブロックが載り、こちらにはeトルクとジープが呼ぶ電圧48Vのマイルドハイブリッドが組まれる。

ジープ・ワゴニア・シリーズII(北米仕様)
ジープ・ワゴニア・シリーズII(北米仕様)

グランド・ワゴニアには6.4Lのビッグブロックが載る。どちらも、ヘミ・ユニットという愛称が与えられている。

トランスミッションは、ZF社とステランティス・グループの共同開発となる、最新の8速オートマティック。0-97km/h加速を7.0秒でこなし、車重3t近いフルサイズSUVであることを考えると、不足ないダッシュ力だといっていい。

上級モデルに位置づけられるワゴニアらしく、パワーデリバリーは滑らか。リラックスして運転したいと思える。

2022年末には、新開発の直列6気筒ツインターボ・ガソリン、ハリケーン・ユニットも選択可能になる予定。こちらはV8エンジンよりエネルギー効率に優れ、よりパワフルだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グラハム・ヒープス

    Graham Heeps

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事