60年代の名バギー メイヤーズ・マンクスがEVとして復活 レトロなデザインで航続480km達成

公開 : 2022.08.22 18:45

伝説的なビーチバギー、メイヤーズ・マンクスがEVとして生まれ変わりました。米カリフォルニア州で開催のモントレー・カー・ウィークで実車が披露されています。オリジナルに忠実なレトロな外観が特徴的。

伝説的なビーチバギーがEVに

米カリフォルニア州で開催されたモントレー・カー・ウィークで、EVとなったメイヤーズ・マンクスが披露された。1960年代からカルト的人気を誇るフォルクスワーゲンビートルベースのビーチバギーであり、レトロなスタイルはそのままに、最新の電動技術を搭載して現代に蘇った。

従来の空冷式水平対向4気筒エンジンをバッテリーと電気モーターに交換しながらも、オリジナルのスピリットを維持しようとしていることは明らかである。外観はマンクスの生みの親であるブルース・メイヤーズが1964年に考案したデザインに忠実だ。彼は56年間メイヤーズの指揮をとった後、2020年末にブランドを売却。2021年3月に94歳で他界した。

メイヤーズ・マンクス2.0
メイヤーズ・マンクス2.0    AUTOCAR

新型マンクスもグラスファイバー製かどうかは不明だが、おなじみのワンピース・ボディを承継しており、モダンになったリアエンド、ディープディッシュのスチールホイール、新しいキャビンを除けば、オリジナルと見分けるのは難しい。

新型は、新しいオーナー企業であるトラスデール・ベンチャーズのもとでメイヤーズ・マンクスLLCのCEOに就任したフリーマン・トーマスによるものである。トーマスは、ポルシェ、ダイムラー・クライスラーフォード、フォルクスワーゲンなど、数々の自動車メーカーでデザイナーとして活躍してきた。特に、1994年に発表したフォルクスワーゲンの「コンセプト1」で一躍有名になり、その後ニュービートルに発展した。

以前、トーマスはメイヤーズ・マンクスのデザインに対する熱意を語っている。

「カリフォルニア出身のわたしは、ユニークでクリエイティブなライフスタイル文化に囲まれた南カリフォルニアのビーチで育ちました」

「自動車デザイナーになったとき、ブルース・メイヤーズの哲学が大きなインスピレーションとなりました。自動車シーンに破壊的な創造性を大量に注入してくれた彼に感謝するのは、わたしだけではないと思います」

最高出力205ps 航続距離は最大480km

20kWhと40kWhのバッテリーを用意し、240kmまたは480kmの航続距離を実現。リアマウントの2基のモーターで最高出力205ps、最大トルク33kg-mを発揮し、0-97km/h加速4.5秒を達成する。バッテリーサイズにもよるが、車重は680kgから750kgとされており、公道走行可能なEVの中では最も軽い部類に入る。

プラットフォームは、「自動車メーカーではない」企業のものを採用したというが、その詳細は明かされていない。組み立てはブランドの歴史的な故郷であるカリフォルニア州で行われる予定。

メイヤーズ・マンクス2.0
メイヤーズ・マンクス2.0    AUTOCAR

2023年中に50台のプロトタイプを製造し、開発テストを行った後、2024年に量産に移る予定だという。価格はまだ明らかにされていないが、従来のエンジン車よりも高価になると予想される。

新型マンクスを発表したサロフィムCEOは、次のように述べた。

「メイヤーズ・マンクスは、喜び、シンプルさ、純粋さの象徴でした。人生の複雑さを解決してくれるものです。メイヤーズ・マンクスの伝統を継承することで、1960年代のカリフォルニア文化の楽観主義をわたし達全員が共有できることになります」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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