ついに生産開始? ファラデー・フューチャー 工場稼働に向けさらなる資金調達
公開 : 2022.08.23 06:25
米国のEVベンチャー、ファラデー・フューチャーは紆余曲折を経て新型EV「FF91」の生産にこぎつけようとしています。工場の稼働にはさらなる資金が必要で、調達に成功すれば年内にも生産開始できるとのこと。
年内に生産開始? 追加の資金調達
米国のEV新興企業ファラデー・フューチャーは、新型EV「FF91」の生産体制を整え、年内に納車を開始する予定だ。ただし、工場の建設作業を完了するためにさらなる資金を手に入れることができれば、の話である。
ファラデー・フューチャーは、カリフォルニア州ハンフォードにある工場(2018年に購入したピレリの元タイヤ工場)の稼働のために匿名の投資家から5200万ドル(約70億円)を受け取っており、さらに一定の生産目標を達成すれば計6億ドル(約820億円)の投資が受けられるものと見られている。
しかし、生産を開始するにはさらなる資金が必要であり、「複数の投資家と追加資金について活発に議論中」であるという。
FF91は2017年に発表された電動SUVで、3基の電気モーターにより最高出力1065psを発揮すると言われている。価格は18万ドル(約2470万円)だが、これまで何年にもわたって経営不振や幹部の交代、技術の実用化に苦しんできた。
ファラデー・フューチャーは、米カリフォルニア州で開催されたモントレー・カー・ウィークでAUTOCARに応え、次のように語った。
「ハンフォード工場が現在の最優先事項であることは間違いありません。工場を建設し、今年中に完成させ、ユニットの生産を開始することです。それが今、当社の最優先事項であり、その実現のためには追加資金を調達する必要があります」
同社の広報担当者はさらに、「総額6億ドルを上限とする資金調達枠があります。当社が目指しているのはそのようなもので、追加資金調達のために複数の投資家と活発に話し合っているところです」と述べている。
ファラデー・フューチャーは現在、FF91の「量産仕様」を準備しているという。
「建設を始めてから、資金の関係で少し後退していました。しかし、昨年の夏、7月にナスダックに上場してからは工場の開発・建設を加速させています。いつ完成するか、正確な日付は申し上げられませんが、今まさにロボットが入り、試作車が作られているところです。とても順調に進んでいす」
今のところ、ファラデー・フューチャーのウェブサイトでは、3種類のモデルが1500ドル(約20万円)から5000ドル(約70万円)で予約注文が可能となっているが、選択できるのは中間グレードの「FF91フューチャリスト」のみ。
予約金を支払うと、最高スペックの「FF91フューチャリスト・アライアンス」のウェイティングリストに参加することができるが、まだ具体的な日程は決まっていない。