最高の内燃機関は? エンジン・オブ・ザ・イヤー歴代受賞機 日本メーカーも健闘

公開 : 2022.08.27 06:05

BMW 4.4L V8(2002年)

BMWはN62型4.4L V8エンジンで二冠を達成した。こちらはバンク角90度のオールアルミニウム製V型8気筒エンジンで、可変バルブリフト・システムであるバルブトロニックなど、技術的な進歩を遂げている。BMWの745i、X5 4.4iスポーツ、545i、645Ci(写真)などに搭載された。

AUTOCARの英国記者アンドリュー・フランケルは、X5 4.4iスポーツへの採用について、「魅力的なパフォーマンス」を実現すると述べている。N62型4.4Lは4.8Lへと発展し、ヴィーズマンGTやモーガンエアロ8など他社モデルにも採用されている。

BMW 645Ci
BMW 645Ci

マツダ 1.3L レネシス(2003年)

マツダRX-8中古車ガイドでは、ロータリーエンジンについて「調子が良くても維持費が高い」という趣旨の記述をよく見かける。確かに、ガソリンよりもオイルを消費する能力は印象的だ。しかし、いくらデメリットを書き連ねても、ロータリーの美点が損なわれることはない。

エンジン・オブ・ザ・イヤーの審査員は、「ワンケルの形式を追求し、成功させたマツダの勇気」を賞賛するとともに、「スムーズで力強く、クリーンでコンパクト」なエンジンであると評した。1.3Lレネシスに代わるユニットは、ロータリーエンジンしかないだろう。

マツダ 1.3L レネシス
マツダ 1.3L レネシス

トヨタ 1.5L(2004年)

トヨタ・プリウス(2代目)に搭載されたハイブリッドシステムが総合優勝と3部門を制覇。プリウスはさらに、同年に北米カー・オブ・ザ・イヤーを、翌2005年には欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。欧州では58人の審査員のうち、37人がプリウスを最優秀賞に選んだ。

トヨタ 1.5L
トヨタ 1.5L

BMW 5.0L V10(2005年)

1999年以来、BMWはエンジン・オブ・ザ・イヤーで合計62のトロフィーを獲得し、その技術力の高さを見せつけている。そして2005年の優勝は、四冠の幕開けとなった。

F1にインスパイアされた5.0L V10は、史上最高のエンジンの1つとされ、「ノーマル」モードでは400ps、「M」モードでは507psを発揮する。このエンジンを積んだM5は、最後の自然吸気モデルであり、個性的なスタイルでワイルドに走り去っていった。

BMW 5.0L V10
BMW 5.0L V10

BMW 5.0L V10(2006年)

BMWの5.0L V10が2年連続のトップに輝いた。このエンジンについて、当時のAUTOCARはこう書いている。

「V10はギアを噛み砕き、8200rpmのリミッターが非常に悲観的なものに感じられる。メカニカルの洗練性は素晴らしく、それがこのクルマ(M5/M6)の日常的なポテンシャルを引き出すカギとなる」

BMW M6
BMW M6

「0-100km/h加速4.7秒、0-200km/h加速15秒、最高速度250km/hの制限を解除すれば330km/hまで加速できる。こうした宣伝文句にもかかわらず、このクルマはまったく大人しいもので、先代よりもその幅広い能力を引き出せるシャシーを持っている」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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