最高の内燃機関は? エンジン・オブ・ザ・イヤー歴代受賞機 日本メーカーも健闘

公開 : 2022.08.27 06:05

フィアット 875cc ツインエア(2011年)

フィアットの0.9Lツインエアエンジンは、2011年の受賞にふさわしいユニットである。バーチカルターボの2気筒エンジンで、わずか1900rpmで最高出力85ps、最大トルク14.8kg-mを発揮し、心地よいサウンドとともに躍動感あふれるパフォーマンスを実現する。

しかし、1つだけ問題があった。フィアットは約30km/lという非常に楽観的な燃費数値を謳ったが、多くのドライバーはその半分を達成するのでさえ苦労している。

フィアット 875cc ツインエア
フィアット 875cc ツインエア

フォード 1.0Lエコブースト(2012年)

「このような3気筒エンジンは、これまで誰も作ったことがない。当社がこれまでに設計したエンジンの中で、最も技術的に進歩し、最も効率的なエンジンの1つです。このエンジンには、将来のフォードエンジンのDNAの一部となり得る多くの新技術を導入しています」

フォードのグローバル・パワートレイン・エンジニアリング・チーフ、ジョー・バカジは、2012年にこのように語った。エコブーストは、フォード史上最小となる1.0Lのガソリンエンジンで、Bマックスから市販車に導入された。

フォード 1.0Lエコブースト
フォード 1.0Lエコブースト

フォード 1.0Lエコブースト(2013年)

エコブーストは2013年も勝利を収めた。この1.0L 3気筒ガソリンエンジンは、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー賞の歴史上、最高得点を獲得している。当時、フォードは需要に対応するため、同エンジンの生産量を倍増させると発表した。

フォード・フォーカス
フォード・フォーカス

フォード 1.0Lエコブースト(2014年)

3年連続の受賞。インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの共同議長であるディーン・スラブニッチは、「1.0Lエコブーストエンジンはパワートレイン工学の最も優れた例の1つ」と述べている。

その数年後、数百のエコブーストエンジンがオーバーヒートしたことをきっかけに、メディアの調査により異常加熱する不具合が発覚。実際に火災を引き起こすケースもあった。フォードは影響を受けた数千人の顧客に対して返金することになった。

フォード1.0Lエコブースト
フォード1.0Lエコブースト

BMW 1.5L 3気筒(2015年)

BMWは2015年、ツインパワー・ターボ3気筒が総合優勝を果たし、再び注目を浴びることになる。1.5L 3気筒のハイブリッドユニットもベスト・ニュー・エンジンに選ばれ、1.4L~1.8Lの部門賞も獲得した。また、メルセデスAMGテスラフェラーリマクラーレンが部門賞を受賞したほか、フォードのエコブーストが1.0L部門で受賞している。

BMW 1.5L 3気筒
BMW 1.5L 3気筒

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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