SUVの流行に疑問を抱く ホンダ・シビック e:HEVへ英国試乗 カタチに多くのメリット
公開 : 2022.09.02 08:25
BEVのように滑らかな加速 広く好印象な車内
通常なら駆動用モーターだけで発進するため、とても滑らかに加速する。いつエンジンが介入して走りをアシストするのか、タイミングを理解することはできなかった。少なくともインフォテイメント用のモニターには、稼働状態がグラフィックで表示される。
市街地では、BEVのように滑らか。数字以上に速く感じられ、0-100km/h加速はトリムグレードに応じて7.8秒から8.1秒がうたわれる。
新しいモデルとして、ダッシュボード中央には例によって大きなタッチモニターが据えられる。実際に押せるハードボタンも多くレイアウトされ、ライバルより遥かに扱いやすい。
エアコンの操作時は、タッチモニターへ触れる必要はない。パーキングセンサーやメーターの調光ダイヤルにも、実際に押せるスイッチが採用されている。
インフォテイメント・システム自体は、ライバルより操作性で劣る。だが、スマートフォンとのミラーリングは簡単だから、充分に補える。
フロントシートはサイズが大きくゆったり座れる。丁度いいドライビングポジションも探しやすい。リアシート側の空間にもゆとりがある。荷室容量は820Lから1220Lと、こちらも広い。
荷室のトノカバーは、奥から手前に引き出すのではなく、左右に展開するのが新しい。リアシート側まで腕を伸ばす必要がなく、コンパクトで、ホンダらしいアイテムといえる。リアワイパーもちゃんとある。
SUVの流行に疑問を抱かせる仕上がり
シンプルで車高の低いハッチバックは魅力的だ。シビックはとても運転しやすい。ステアリングホイールの操作へ、正確で滑らかに反応するし、重み付けも丁度いい。
乗り心地も素晴らしいといって良いだろう。鋭い隆起部分を通過しても、しなやかに入力を丸め込んでくれる。高速でワダチを横切っても、ボディを大きく揺さぶることなく振動を沈めていた。
Cセグメントのハッチバックのなかで、新型シビックはドライバーとの親和性が高いモデルに加えられる。最近試乗した、キア・シードやシトロエンC5 Xでの優れた印象を呼び起こさせるものでもあった。
全高の低いプロポーションには、運動神経や燃費など多くのメリットがあることを証明している。全高が高くなると空気抵抗も増え、それだけで優れた燃費は得にくい。SUVの流行に疑問を抱かせる仕上がりだと思う。
ホンダ・シビック e:HEV アドバンス(英国仕様)のスペック
英国価格:3万2995ポンド(約544万円)
全長:4550mm
全幅:1800mm
全高:1415mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:8.1秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:114g/km
車両重量:1533kg
パワートレイン:直列4気筒1993cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps(システム総合)
最大トルク:32.0kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード