性能が落ちる? スポーツカーにエタノール混合ガソリンは使えるか 英国で「E10」普及進む

公開 : 2022.08.26 06:05

クルマの性能に影響は出るのか?

手短に言えば、ノーだ。すでに触れたように、燃料から得られるパワーとトルクの大きさは、オクタン価によって決まる。この数値が変わらなければ、E10に変えてもクルマの性能は落ちないはずである。英国におけるE10のオクタン価は95で、一般的な乗用車であれば性能に変化はない。

しかし、スポーツカーや高性能車など、オクタン価97~100のハイオクを使用しているクルマでE10に切り替えると、性能と燃費にわずかな悪影響を及ぼすと言われている。とはいえ、数馬力(間違いなく一桁)しか落ちないので、肌で感じる変化はほとんどないだろう。

E10に変えても、性能の変化はほとんど見られない。
E10に変えても、性能の変化はほとんど見られない。

もし、自分のクルマの取扱説明書にE10に対応すると書いてあれば、使わない理由はない。E5と比較して燃費が若干悪くなることを除けば、走りにほとんど違いはないはずだ。とはいえ、エンジンの性能と燃費を最大限に発揮させたいなら、やはりハイオクを使うべきである。実際、高性能車に関しては、そのほとんどがオクタン価98以上の燃料を指定・推奨している。

確かにハイオクの価格は高いが、E10よりも燃費が良いことを考慮すると、長期的に見たときの結果はイーブンと言ってもいいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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