パイオニアNP1とは何者なのか? その正体、解説します カーナビ/ドラレコ機能/アップデートについて

公開 : 2022.08.26 06:15  更新 : 2023.11.24 14:19

「パイオニアNP1」って、どんな機器なの? そう感じるのもムリはありません。新しいジャンルのデバイスだから、ピッタリの言葉がないのです。その正体、解説しましょう。

新しすぎて、製品ジャンルが見つからない

本年2月にパイオニアからリリースされた車載機器「NP1(エヌピーワン)」。名前は聞いたことあるけれど、正体がよくわからないと感じている人も少なくないのでは?

製品発表時にWebや雑誌、テレビなどで取り上げられた際には「画面のないカーナビ」と多くの媒体が表現した。

パイオニアNP1を設置したトヨタ・アルファードで、NP1がいったい何者なのか、検証してみよう。ちなみにサイズは、118×36×93mmと手のひらに載る程度。
パイオニアNP1を設置したトヨタアルファードで、NP1がいったい何者なのか、検証してみよう。ちなみにサイズは、118×36×93mmと手のひらに載る程度。    AUTOCAR JAPAN

確かに間違ってはいないのだが、これではNP1の数多くの能力のうち一部の機能しか表していないし、本質を間違って理解をしてしまうおそれがある。

というわけで今回は「NP1とは何者なのか?」を明らかにしたい。

パイオニアではNP1について「会話するドライビングパートナー」「世界初のAI搭載通信型オールインワン車載器」と呼んでいるが、今までにないジャンルの製品のため、一言で言うならばこのように呼ぶのがいちばんわかりやすい。

ワンボディに2つのカメラ、GPS、Gセンサー、通信ユニット、ジャイロセンサー、マイクロSDスロット、スピーカー、マイクなどを搭載し、クラウドを活用してドライブに役立つさまざまな機能を提供する。

マルチな性能の中でもメインと言えるのは「スマート音声ナビ」機能だ。

ナビを体験 気分はスマートスピーカー

これは「声」によって操作を行い、「声」によって案内を行うもの。

従来のカーナビのようにタッチパネル画面は使わずともカーナビとしての機能を果たす。

ドライバーと会話しているときは、写真のように一部が白く光る。左ハンドル車への設置にも対応。その際は、左右を入れ換えて取付けることができる。
ドライバーと会話しているときは、写真のように一部が白く光る。左ハンドル車への設置にも対応。その際は、左右を入れ換えて取付けることができる。    AUTOCAR JAPAN

運転中・停車中のタッチ操作、視線移動などを必要としないため非常に安全性が高く、運転に不慣れな人ほど恩恵を受けられるだろう。

操作感は、家庭で使用されている「スマートスピーカー」に似ている。

目的地の設定では「エヌピーワン、東京ドームに行きたい」と話しかけると「直線距離で10kmの位置に東京ドームが見つかりました。ここに行きますか?」と質問される。

「ハイ」と答えれば瞬時に渋滞を考慮したルート探索が始まり、ルートの概要・高速道路料金なども知らせてくれる。

音声派/スマホアプリ派 アナタはどっち?

ちなみに目的地検索で似たような名称の施設が複数ある場合は「ほかには?」と聞くと、次の候補も挙げてくれる。

ただし、このように検索ができる項目は現在のところ「名称」だけで、「住所」や「電話番号」による検索はできない。また、ルート探索の条件(高速優先、一般道優先など)についても指定ができない。

アルファードの車内に設置するとこのようになる。「左車線を進んでください」と案内してくれるNP1。
アルファードの車内に設置するとこのようになる。「左車線を進んでください」と案内してくれるNP1。    AUTOCAR JAPAN

一般的なカーナビを使い慣れていると複雑な操作ができないことに不満を覚えてしまうが、カーナビを使い慣れない人にとっては操作の手間がなくシンプルで歓迎されるものだろう。

なお、NP1には専用スマホアプリの「My NP1」が用意されており、これを利用すれば住所、電話番号、地図スクロール、登録地などから検索ができ、条件が異なる複数ルート探索も可能になる。

そして実際に走り出すと、ルートガイドの充実度に関心する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。

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