327psは同社最強 マツダCX-60へ英国試乗 2.5L直4+モーター ブランド初のPHEV 前編

公開 : 2022.09.05 08:25

洗練され快適なEVモード やや荒いエンジン

多くのPHEVクロスオーバーと同じく、CX-60も穏やかな日常走行へ最適化されている。クルマを起動させる度に、デフォルトでEVモードが選択される。

駆動用モーターも8速ATを介して走らせるため、エンジンが始動しなくても変速が生じ、やや違和感があった。それでも175psあるから充分パワフルで、レスポンスもいい。

マツダCX-60 PHEV AWD タクミ(英国仕様)
マツダCX-60 PHEV AWD タクミ(英国仕様)

低速域では、歩行者に近接を伝える警告音が車内でも聞こえてくるが、都市部の流れに乗っている限り至って静か。走りの質感や快適性は、かなり高いと感じた。

速度域の高いルートへ出てアクセルペダルに力を込めると、パワートレインの一貫した反応に陰りが出てくる。駆動用モーター単独から内燃エンジンも加勢する状態への移行には、若干のギクシャクさが伴う。加速の鋭さもBEVには及ばない。

内燃エンジンも強みとはいい難く、負荷が高まるにつれて荒っぽいノイズが響いてくる。燃費は悪くないようだが。

CX-60のメーターパネルはモニター式で、ノーマル・モードではタコメーターが表示されない。スポーツ・モードを選択すると描かれるが、高回転域まで積極的には回りたがらない設定のようだ。

気張っても6100rpm。レッドラインから400rpm下までしか吹け上がらなかった。

アクセルペダルを踏み倒し、PHEVシステムのすべてを開放すれば確かに速い。0-100km/h加速は5.8秒がうたわれ、マツダの量産車としてトップクラス。かといって、楽しい4気筒ユニットというわけではない。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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