アストン マーティン・ヴァルハラ 内装の全貌が明らかに 最高出力950psのハイブリッド・スーパーカー
公開 : 2022.08.26 18:45
アストン マーティンは、同社初のPHEVとなる新型スーパーカー「ヴァルハラ」のインテリアの詳細を公開しました。
アストン マーティン初のPHEV
アストン マーティンの新型スーパーカー、ヴァルハラのインテリアの詳細が公開された。ハイブリッドV8を搭載したミドエンジン車で、フェラーリSF90ストラダーレなどのライバルと期待されている。
アストン マーティン初のプラグインハイブリッド(PHEV)を採用し、「ブランドの新たな定義を示すもの」と表現されている。また、同社の新戦略「プロジェクト・ホライズン」の重要な一角を担うモデルでもある。
この計画では、2024年までに「10台以上」のモデルを投入。その中にはヴァルハラ、ヴァンキッシュ、そしてV12エンジンを搭載したハイパーカーのヴァルキリーなどが含まれている。
ヴァルハラは、2019年にジュネーブ・モーターショーでRB-003コンセプトが公開されてから2年間かけて製品化された。アストン マーティンのF1チームも開発に大きな影響を与えたと言われている。
AMG製のV8エンジンをミドマウント
当初は自社開発の3.0L V6エンジンを搭載する予定だったが、最終的にメルセデスAMGの4.0L V8を採用することになった。ツインターボ付きでキャビン後方に積まれ、ユニット単体で最高出力750psを発生。新開発の8速DCTを介して後輪を駆動するレイアウトである。
AMGのGTブラックシリーズと同様に、ヴァルハラのV8はフラットプレーン・クランクを採用しており、「アストン マーティンに搭載された中で最も先進的で、レスポンスに優れ、最高のパフォーマンスを発揮するV8エンジン」と言われている。また、軽量エグゾーストシステムは調整可能フラップを備えており、「真のサウンド」を実現しているという。
注目すべきは、リアアクスルに1基、フロントに1基、合計204psの電気モーターを導入したことだ。これにより、ハイブリッドV8エンジンは総出力950psを発揮する。アストン マーティンは、0-100km/h加速2.5秒、最高速度350km/h、そしてニュルブルクリンクのラップタイムで6分30秒を達成できると見込んでいる。
フロントの電気モーターのみを使用するEVモードも実装。電気だけで約130km/hまで加速可能だが、通常の走行では、必要に応じて前後アクスルにパワーを分配してV8の出力を補う。また、電子制御式LSDを装備し、トラクションと敏捷性を向上させている。
空力重視のスタイリング
このパワートレインを収めるのは、特注のカーボンファイバー製シャシーで、「最小限の重量ペナルティで最大限の剛性を実現」しているという。アストン マーティンは、目標乾燥重量を1550kgとし、「同クラスのライバルと比較しても、類を見ないパワーウェイトレシオ」を実現すると述べている。
また、大型のベンチュリートンネル、可動式のフロントスプリッターやリアウイングなど、エアロダイナミクスを向上させるボディワークにより、240km/h走行時で600kgのダウンフォースを発生させることができるという。
サスペンションは、フロントにプッシュロッド式、リアにマルチリンク式を採用し、ダンパーとスプリングをインボードに配置することでバネ下重量を軽減。トラックモードでは大きく車高を下げ、低速走行時には車高を上げて段差などに対応する。
エクステリアではエアロダイナミクスを重視。ヴァルキリーのようなアグレッシブさを抑え、すっきりとしたスタイリングとなっている。
ルーフ上のエアスクープ、ディヘドラルドア、丸みを帯びたリアデッキ、ワンピースのリアウイングはそのままに、フロント、リア、サイドのデザインを一新。ヴァルキリーとは系統の異なるスーパーカーとなっている。
フロントエンドにはアストン マーティンの特徴的なグリルを配置。リアディフューザーも刺激的なものだが、コンセプトモデルから大幅にトーンダウンして市販車らしい姿に。ホイールは、フロント20インチ、リア21インチで、ミシュランのパイロット・スポーツ・カップが装着されている。