ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300e試乗 日本市場にちょうどいい

公開 : 2022.08.29 05:45

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300eに試乗。3気筒1.5L+PHEVの出来栄えを紹介。

自社開発1.5LエンジンのPHEV

2026年までに計6台のEVを発売することを目標として掲げているランドローバー

現行モデルの電動化も着実に進んでいて、7モデルのうちの3モデルにPHEVを用意しているほか、全モデルにマイルドハイブリッドを設定するなど、積極的な姿勢を示している。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300eは自社開発3気筒1.5Lエンジンを搭載。
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300eは自社開発3気筒1.5Lエンジンを搭載。    近藤浩之

中でも、いち早くPHEVをラインナップしたのがレンジローバー・イヴォークとディスカバリー・スポーツの2台。

そのパワートレインは基本的に共通で、ジャガー・ランドローバー・グループが自社開発した3気筒1.5L(!)のインジニウム・ガソリンエンジンで前輪を駆動し、後輪はモーターで駆動するというもの。

最高出力はエンジンが200psでモーターが109ps。システム全体としては309psと55.1kg-mと十分なパフォーマンスを発揮する。

ちなみに、現在ディスカバリー・スポーツに設定されているパワートレインは2Lガソリン(P200とP250の2種)、2Lディーゼル+MHEV(D200)、そしてPHEV(P300e)の3タイプだが、0-100km/h加速はガソリン(P250)の7.8秒、ディーゼルの8.6秒に対して、PHEVは6.6秒と圧倒的に速い。

最高速度はPHEVとディーゼルの209km/hをP250が225km/hで上まわるものの、少なくとも日本の公道ではその差を感じられることはないだろう(いずれも5シーターで比較)。

ちなみに高電圧バッテリーの容量は15kWhと余裕があり、EV航続距離は最長で66.1km(WLTC)を誇る。

モーター特有 走り出し滑らか

試乗したのはディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300e。

ちなみにP300eが設定されるのはRダイナミックというスポーティなグレードのみで、トリムレベルはS、SE、HSEの3タイプから選べる。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300eはモーター特有の滑らかな走り出し。
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツRダイナミックHSE P300eはモーター特有の滑らかな走り出し。    近藤浩之

その運転席に乗り込んでシステムを立ち上げても、当然のごとくエンジンは始動しない。

そこで、まずはハイブリッドモードのままDレンジを選んで走り出してみる。

クルマが動き出す瞬間の所作は、いかにもモーターで駆動されているクルマらしい「ヌルッ」という感触を伝えるもの。

内燃機関と歯車を組み合わせたクルマ特有の「カキン!」というトルクの伝わり方とはどこか異なっている。

加速度の立ち上がり方を100分の1秒単位で解析すると、なにか違いがでてくるのだろうか。

いずれにせよ、わたしはモーター特有の滑らかな走り出し方が好きだ。

市街地を普通に走っている限り、エンジンがカットインしてくることはなく、モーターの力だけですべてこと足りる。

レスポンスが良好で、トルキーなその走りには多くのドライバーが満足するはず。

ちなみに、この日は一般道と高速道路を織り交ぜながら44kmを走行したところでバッテリーを使い果たし、3気筒1.5Lガソリン・エンジンが始動した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    近藤浩之

    Hiroyuki Kondo

    某自動車雑誌を経てフリーに。2013年に(株)スカイピクチャー設立(とはいっても1人で活動)。仕事は写真/動画の撮影編集、たまに作文。対象はクルマを始め、建築/フード/人物など幅広いが、要は何でも屋の便利屋。苦手なことは、自分のプロフィールを自分で書くこと(要はこの文章)

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事