フェラーリ288GTO、6億円で落札 北米オークションで高騰 「傑作を今のうちに」

公開 : 2022.08.29 07:38  更新 : 2022.08.29 07:38

驚きの額のワケ 入札者の心理に変化?

今回出品時の走行距離はわずか1万5004kmで、歴代オーナーから箱入り状態で可愛がられてきた。もちろんも整備も完璧に行われており、タイミングベルトも交換済みという。

主催者発表の予想落札額は375~425万ドルで、最近では2月のパリ・オークションで346.4万ユーロ(当日のレートで約391.56万ドル)を上回る強気の額だった。

「世界的な電動化への流れのなか、フェラーリの傑作を今のうちに所有したいという流れ」があると筆者。
「世界的な電動化への流れのなか、フェラーリの傑作を今のうちに所有したいという流れ」があると筆者。    RMサザビーズ

なお落札額の新旧比較は、分かりやすくするために米ドルを基準として記している。

オークションは激しい入札が続き、最終的に440万5000ドル(約6億349万円)で決着がついた。ここに288GTOにおける最高落札額が樹立されたのである。

エンツォ・フェラーリの決断により制作され、272台という希少性と迫力あるスタイリング、他を圧倒するステイタス性を備える288GTOは時とともに輝きを増している。

世界的な電動化への流れのなか、フェラーリの傑作を今のうちに所有したいという流れから、需給バランスが崩れた状況になっていることも値上がりの1つの要因といえる。

生まれながらのスーパースターである288GTOは、フェラーリ・エンスージァストにとって究極の1台となるだけに、しばらくは高値をキープすることは間違いないだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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