小さくて何が悪い? 忘れがたい小排気量エンジン搭載車 18選 ファッショナブルな1台も
公開 : 2022.09.04 06:05 更新 : 2022.09.26 14:36
ホンダN360 – 354cc
ハッチバックのフォルム、ハンドリング、品質などさまざま意味で、N360はシビックの始祖と言えるモデルである。エンジンは354ccの空冷2気筒で、前輪を駆動する。二輪車製造の知見を活かした優秀なエンジンで、最高速度は115km/hに達した。
600ccのエンジンに載せ替えたN600は、輸出仕様として北米や欧州で発売され、現在ではコレクターの間で珍重されている。
バークレーSE322 – 322cc
たった322ccのエンジンでスポーツカーなんて作れるのか?これを具現化したのが英国のバークレーだ。SE322は、パワーがなくでも楽しめるということを示した。アンザニ社製の二輪車用2気筒エンジンは、回転数が高く、車重わずか380kgの2シーターには好都合。
その性能は、0-97km/h加速38.3秒と、1950年代の水準からしても遅いものであった。しかし、排気量の割に最高速度は105km/hとなかなかのもので、ハンドリングも優れている。さらに高性能な328cc仕様も登場しているが、いずれも低価格が大きな魅力であった。
BMWイセッタ – 245cc
今となっては想像もつかないが、1950年代半ばのBMWは財政難に陥っており、245ccのイセッタは待望の一台だった。全長2250mmという小さなクルマは、スエズ危機(第二次中東戦争)の影響で燃料価格が高騰する中、時代の流れにマッチしていたのだ。イセッタのようなエコノミーカーは急速に需要が高まり、ファッショナブルとも受け止められるようになった。
エンジンは単気筒で、キャビン後方に搭載されている。初期モデルは四輪だが、後期では後輪が1本に減って三輪となった。後に最高出力13psの298cc仕様も登場したが、同じ1959年に登場したミニに経済性、快適性、広さで敗れてしまった。
ハインケル・カビーネ – 174cc
航空機で知られるハインケルが製造したカビーネ。1950年代のバブルカーやエコノミーカーの多くが2ストロークエンジンを採用していたのに対し、カビーネは4ストロークの174ccエンジンを搭載していた。後に198ccに拡大されたが、いずれも2ストロークのようにオイルを燃焼することなく、メンテナンスの手間が少ない点が魅力である。
カビーネは当初ドイツで生産されていたが、アイルランドに生産拠点を移し、後に英国で生産されるようになった。他人との距離感さえ気にしなければ、よく出来たクルマであり、1956年から1965年の間に2万3000台が製造されている。