小さくて何が悪い? 忘れがたい小排気量エンジン搭載車 18選 ファッショナブルな1台も

公開 : 2022.09.04 06:05  更新 : 2022.09.26 14:36

メッサーシュミットKR175 – 173cc

メッサーシュミットKR175は、合計1万9668台が生産された。BMWイセッタの16万1000台には遠く及ばないものの、KRは最も親しみやすい小型車の1つである。メッサーシュミットの戦闘機のキャノピーにも似たデザインで、一部では本物のキャノピーを流用しているとの噂もあったが、これは誤りである。シート配置も戦闘機のようなタンデム式が採用されたが、乗員のスペースはきちんと確保されている。

173cc の2ストローク単気筒エンジンから得られる出力はわずか9psだが、200kgという軽い車重も手伝って、最高速度は80km/hに達する。同時期の他のバブルカーとは異なり、電動スターターとリバースギアを装備しており、製造品質も高いため現存する個体は多い。

メッサーシュミットKR175
メッサーシュミットKR175

ボンド・ミニカー – 122cc

移動に必要なものでなければ、持たない。それが、122ccの2ストローク単気筒エンジンを搭載した三輪車、ボンド・ミニカーの哲学だ。二輪車から流用されたこのエンジンは、出力が5psと低く、80km/hを出すのが精一杯だった。

このような極端な断捨離の結果、車重はわずか140kgとなり、小さなエンジンでも4人を乗せて走るには十分な性能を発揮した。当初はドアやルーフ、フロントブレーキすら用意されておらず、こうした便利で贅沢な装備は後になって追加された。

ボンド・ミニカー
ボンド・ミニカー

戦後、英国では自動車のニーズが高まり、ボンド・ミニカーも1948年から1966年までの間に2万4848台が製造された。しかし、英国の税制改正により三輪車の利点がなくなり、代わりにミニが売れるようになった。

ピールP50 – 49cc

ピールは、耐久レースで有名なマン島で生まれた唯一の自動車メーカーである。そしてP50は、ギネス世界記録に史上最小の量産車として登録されている。1人乗りの小さな小さなマシンの心臓部には、原付から流用した49cc単気筒エンジンが搭載されている。

初代P50(1962~1965年)は、ガレージや駐輪場から「持ち運べる」コミューターとして開発された。そのため、リバースギアがなくても問題なかった。現在では、同じスタイルの車体に電気モーターを搭載したものが販売されている。高速度は90km/hという驚異的な速さを実現しており、125ccの4サイクルエンジンもオプションで用意されている。

ピールP50
ピールP50

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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