シトロエンC5 Xは、セダン/ワゴン/SUVのいいとこ取り? 価格/サイズ/内装を解説 10/1発売

公開 : 2022.08.30 06:16

大きなシトロエンが復活! 新型車「C5 X」のデザインを隅々まで撮影。ガソリン/プラグインハイブリッドのスペックの違い、補助金について解説します。

「C5 X」 モデル名の意味は?

8月29日。シトロエン日本法人が、「シトロエンC5 X」を発表した。

「C6」の生産終了とともに途絶えていたフラッグシップのポジションに、新しいボディタイプの新型車がやってきたのだ。

シトロエンC5 Xプラグインハイブリッド。PHEV仕様は、左リアフェンダーに充電口が備わる。また、左右のフェンダーにサイドシグネチャーが配され、よく見ると「hybrid」と刻印されている。
シトロエンC5 Xプラグインハイブリッド。PHEV仕様は、左リアフェンダーに充電口が備わる。また、左右のフェンダーにサイドシグネチャーが配され、よく見ると「hybrid」と刻印されている。    上野和秀

このモデルの登場は、伝統的なDセグメントのカテゴリーに、シトロエンが復活したことを意味している。

日本発表会に登壇したステランティス ジャパンのポンタス・ヘグストロム社長は、「車名の“X”は、BX、CX、XMなど、世界中で熱狂的なファンを生んだ、過去の輝かしいシトロエンのビッグモデルの血統」を意識したものと紹介。

また「C5」については、このブランドのトップレンジであることを示すもので、「X」には、セダン、ステーションワゴン、SUVという3つの要素をクロスオーバーさせた独創のスタイリングという意味もあるという。

C5 Xの登場により、Bセグメント~Dセグメントまで、7車種のフルラインを揃えたことになるシトロエン車。

技術面の注目は、新開発のアドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションと、プラグイン・ハイブリッド仕様の存在だろう。

新たな“魔法の絨毯”と電動パワートレインを手に入れたフラッグシップは、どんなクルマなのだろうか? その概要を確認していこう。

全高1.5m未満 サイズ/デザイン

シトロエンC5 Xのボディサイズは、全長4805×全幅1865×全高1490mmという堂々たるもの。ホイールベースは2785mm。

セダンのもつエレガンス。ステーションワゴンの実用性。そしてSUVの力強さ。

シトロエンC5 Xシャイン・パックのリア・スタイリング。
シトロエンC5 Xシャイン・パックのリア・スタイリング。    上野和秀

この3つの要素を独創的に組み合わせた外観は、前面にV字シェイプのライティングシグニチャーを配し、ボトム部をクローム処理したことによって風格のある佇まいに。

ボンネットと車体側面に刻まれたキャラクターライン、大径ホイールと漆黒のホイールアーチがダイナミックな印象を与えている。

とりわけ個性的なリアビューは、テールゲートの上部、中ほどにスポイラーが備わる大胆な造形。

奇抜な意匠のコンビネーションランプだが、それがサイドまで回り込むことで、リアセクションのグラマラスな美しさを引き立てている。

インテリアも覗いてみよう。

やわらかシート&ワゴンの実用性

C5 Xの流麗なフォルムの中には、大人5人が快適に過ごせるスペースが存在している。

広いガラスエリアに囲まれた明るいキャビンは、水平基調のダッシュボードと、フロントドアまで回り込むウッド調パネルがゆとりある空間を演出。

シトロエンC5 Xシャイン・パックの前席内装
シトロエンC5 Xシャイン・パックの前席内装    上野和秀

ダッシュボード中央には、高精細12インチ・タッチスクリーンが備わる。

そして、リアクォーターにもウインドウが設けられたことで、360度のガラスエリアを実現した。

静粛性も、コンフォタブルを信条とする現代のシトロエンの代表的な機能の1つ。複層構造のラミネーテッドガラスを採用し(内燃仕様の上位グレード「シャイン・パック」に標準装備)、外部からのノイズを最小限に抑える。

シートは、独自のアドバンスト・コンフォートシートを採用。

ベースに低反発の高密度ウレタンを使用し、表層部に15mmの厚さのある、やわらかなスポンジを挟む手法を用いた。この構造が生み出す姿勢保持性・コンフォート性能は、リビングルームでくつろいでいるような座り心地を実現する。

トランクは、寸法・機能の面でステーションワゴンの使い勝手を念頭に設計。

フラットなフロア、低めで広い開口部により通常時で545L、リアシートを倒すと最大1640Lという積載性能は、荷物の多い趣味を持つユーザーには嬉しいところ。

ハンズフリー電動テールゲート、スーツケースの出し入れ時に重宝するフロアレールなども含めて、実用性の高さもC5 Xの魅力となっている。

記事に関わった人々

  • 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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