大排気量こそ正義 史上最大のエンジンを積んだクルマ 20選 ロマン溢れるモデルたち

公開 : 2022.09.03 06:05

リスター・ストーム(7.0L)

1993年に英国のリスターが開発したストームは、1971年にEタイプでデビューしたジャガーのV12を採用。ル・マン24時間レースに参戦するため、排気量を7.0Lに拡大するなど、ポテンシャルを極限まで引き出している。

排気量拡大のために、ボアとストロークを大きくし、公道向けモデルでは最高出力562psを発揮した。その結果、0-97km/h加速は4.1秒をマークしている。こうした性能やハンドリング、高回転型エンジンが高く評価されたストームだが、5000万円を超える価格が敬遠され、公道モデルはわずか4台しか製造されなかった。

リスター・ストーム
リスター・ストーム

プリムス・バラクーダ(7.2L)

群雄割拠のマッスルカー競争の中で、プリムスは7.2Lの440スーパーコマンドーV8をデビューさせ、ライバルを圧倒した。当時このクラスのどのモデルよりも大きく、標準の状態でも375psを発生。ドラッグレースで活躍することが出来た。

しかし、これには代償があった。あまりにも大きいためエンジンルームを完全に埋め尽くしてしまい、パワーステアリングを搭載するスペースがなかったのだ。また、暴れ狂うバラクーダを止めるためのブレーキサーボを積めていない。それでも、最大最速のマッスルカーを求める米国の消費者を魅了するには十分だった。

プリムス・バラクーダ
プリムス・バラクーダ

ダッジ・チャージャーR/T(7.2L)

ダッジは1967年、440立方インチ(7.2L)のビッグブロックV8をオプションとして初めてチャージャーに設定した。マグナムと呼ばれるこのエンジンは、シングルバレルキャブレターで380psを発揮し、その燃焼室がくさび形だったことから「ウェッジ」という愛称がついた。

2代目チャージャーが登場すると、ロード/トラックの略であるR/Tモデルもデビュー。7.2Lエンジンを標準とし、小型の426ヘミV8(7.0L)を選択することも可能だった。426は425psを発揮するなど、小型ながらパワーがあった。

ダッジ・チャージャーR/T
ダッジ・チャージャーR/T

アストン マーティンOne-77(7.3L)

その希少性と140万ポンド(約2億円)という価格を考えると、アストン マーティンがOne-77とそのV12エンジンの開発に全力を尽くしたのも理解できる。エンジンマウントは無垢のアルミニウムビレットから削り出されたもの。ユニット自体はコスワースに開発・製造を委ねられた。コスワースの課題は、最低でも700psの出力と、ベースとなった標準的なV12エンジンよりも10%の軽量化を実現することであった。

結果的に最高出力760psを達成し、標準のシリンダーライナーをスプレーコーティングに変更することで15%の軽量化を実現した。DBSとは異なり、可変バルブタイミングを採用し、重量配分とハンドリングの改善のためにボディ後方、100mm低い位置に配置されている。

アストン マーティンOne-77
アストン マーティンOne-77

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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