大排気量こそ正義 史上最大のエンジンを積んだクルマ 20選 ロマン溢れるモデルたち

公開 : 2022.09.03 06:05

パガーニ・ゾンダS(7.3L)

パガーニは当初からメルセデスAMGのエンジンを調達してきたが、その中でも最大のものは7.3LのM297型V12である。これは1990年代初頭に登場したM120型V12を発展させたもので、SクラスやSLクラスといったトップモデルに搭載されたエンジンである。2002年にゾンダSとゾンダ・ロードスターに搭載され、555psを発揮したが、パガーニはさらなる高みを目指した。

ゾンダFクラブスポーツで650ps、チンクエでは678psにパワーアップ。これで終わりかと思いきや、2017年にHPバルケッタで800psまで到達している。ベースはすべて、1992年の400psのエンジンである。

パガーニ・ゾンダS
パガーニ・ゾンダS

リンカーン・コンチネンタル(7.6L)

1961年に登場したリンカーンの4代目コンチネンタルは、先代より小さいが重くなったため、大型エンジンが必要になった。そこでフォードは1966年に7.0L V8を7.6Lに拡大し、当時としては史上最大の自動車用エンジンを完成させたのである。

このエンジンはオハイオ州リマ工場で生産されたが、コンチネンタルで短期間使用されただけで、やがて新型の7.5L 385シリーズV8エンジンに取って代わられた。それでも、その希少性とコンチネンタル最大のユニットという魅力から、クラシックカーファンの間では高い人気を誇る。

リンカーン・コンチネンタル
リンカーン・コンチネンタル

ロールスロイス・ファントムII(7.7L)

1930年代初頭、高級車の頂点に君臨したロールス・ロイス・ファントムII。搭載された7.6L直列6気筒エンジンも同じく威厳のあるものだ。後に登場したファントムIIIの7.3L V12より気筒数が少ないが、モデルと客層にふさわしい、滑らかで洗練されたエンジンであった。

7つのメインベアリングを持ち、アルミ製の一体型シリンダーヘッドを採用することで、スムーズな回転を実現。また、ロールス・ロイスの航空エンジンの経験から、デュアルイグニッションが標準装備された。コンチネンタルモデルには、パワーアップのためにレーシーなカムシャフトがオプションで用意されていたが、いずれの仕様も出力は公表されていない。

ロールスロイス・ファントムII
ロールスロイス・ファントムII

ベントレー8リットル(8.0L)

ベントレー8リットル(または8リッター)は、1930年代初頭のハイパーカーである。わずか100台しか製造されなかっただけでなく、7982ccの巨大な直列6気筒エンジンが当時の主流車種とはかけ離れたものであったからだ。

鉄のブロックを一体化し、シリンダーヘッドを取り外せないようにすることで強度を確保。クランクケースもマグネシウム合金を使用するなど、すべてが最高級品であった。1気筒あたり4バルブで、ツインスパークイグニッションを採用したほか、当時としては珍しいラバーマウントが装着されている。最高出力220psを発揮し、1931年当時最もパワフルな市販車の1つとなった。

ベントレー8リットル
ベントレー8リットル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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