大排気量こそ正義 史上最大のエンジンを積んだクルマ 20選 ロマン溢れるモデルたち

公開 : 2022.09.03 06:05

ブガッティ・ヴェイロン(8.0L)

ブガッティ・ヴェイロンが圧倒的な最高速を実現できたのは、他でもない8.0L W16エンジンのおかげである。基本的な設計としては、2基の狭角V8エンジンを共通のクランクシャフで結合したもの。これにより、珍しい「W」字型のレイアウトとなった。最高出力1000psを発揮し、最高速度407km/hを達成。ヴェイロンの名を自動車史に刻んだ。

64バルブ、4つのターボチャージャー、DSGデュアルクラッチ・トランスミッションを搭載したヴェイロンは、そのエンジンの大きさと同様に技術的にも非常に大胆なものであった。エンジンを最適な温度に保つために、エンジンとターボに合計10個のラジエーターが必要とされた。

ブガッティ・ヴェイロン
ブガッティ・ヴェイロン

シボレー・サバーバン(8.1L)

大型SUVを走らせるなら、大排気量エンジンは欠かせない。シボレー・サバーバンには、8.1Lのボーテック(Vortec)V8、シボレー流に言えば「L18」が搭載され、340psを発揮する。

2001年から6年間、低回転で発生する60kg-mという驚異的なトルクを活かし、船舶や大型モーターホームにも使用された。しかし、2007年に登場した10代目サバーバンでは、燃費の問題から廃止されてしまった。

シボレー・サバーバン
シボレー・サバーバン

キャデラック・エルドラド(8.2L)

エルドラドは1953年にキャデラックのラインナップに加わり、1960年代に入るとエンジン排気量が着実に増加していった。大型化は1970年に頂点に達し、500立方インチ(8.2L)のV8が登場。クランクシャフトを変えてストロークを増やすことで排気量アップを果たし、406psという比較的穏やかなパワーを発揮した。

しかし、1970年代の排ガス規制の影響を受け、370psまで徐々にパワーダウンし、1976年にはわずか193psに抑えられてしまう。オプションの電子制御燃料噴射装置で218psまでパワーアップさせることはできたが、もう全盛期は過ぎている。

キャデラック・エルドラド
キャデラック・エルドラド

ダッジ・ラム(8.3L)

ピックアップトラックにスポーツカーの8.3L V10エンジンを載せるという組み合わせは、できちゃった結婚のように聞こえるかもしれないが、ダッジでは誰も気にしなかったようだ。ヴァイパーのエンジンを搭載したラムSRT-10を迷うことなく完成させたのである。ピックアップトラックにふさわしく、エンジンは1気筒あたり2バルブという極めてシンプルなもので、ターボも搭載されていない。

2004年に登場したラムSRT-10は、500psを超えるパワーと最高速度248km/hを実現し、旋風を巻き起こした。このエンジンのポテンシャルをフルに活用すれば、軽量な標準キャブ仕様であれば、0-97km/h加速を4.9秒で走破することも可能だ。5人乗りのクワッドキャブ仕様では6速マニュアルを標準とし、4速ATがオプションで用意されていた。

ダッジ・ラム
ダッジ・ラム

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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