大排気量こそ正義 史上最大のエンジンを積んだクルマ 20選 ロマン溢れるモデルたち

公開 : 2022.09.03 06:05

ザ・ビースト(27.0L)

1975年、英国人のジョン・ドッドは、27.0Lの航空エンジンを搭載したビースト(怪物)を製作し、多くの人々を驚かせた。巨大なボンネットの中には、ロールス・ロイス・マーリンエンジンが収められており、そのアンバランスさがやたらと目を引く。

ビーストのベースとなったのはフォード・カプリで、完成するや否やロールス・ロイスから苦情が寄せられる。ロールス・ロイス独自のラジエーターグリルとエンブレム、そしてマスコットの「フライングレディ」が使用されていたためだ。ドッドは譲らず、法廷闘争にまで発展したが(ドッドは「R」のロゴ付きセーターを着て出廷したという)、結果的に敗訴してしまう。

ザ・ビースト
ザ・ビースト

こうした騒ぎもあって、マーリンエンジンを搭載したビーストは大いに注目を集めた。スーパーチャージャーを取り外した状態でも1000ps以上を発揮し、当時最もパワフルなクルマとしてギネスブックにも載った。ドッドによれば300km/hまで加速でき、さらにその先も目指せたという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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