トヨタの水素燃料電池搭載 BMW、X5向けパワートレイン 生産開始
公開 : 2022.09.02 06:25 更新 : 2022.11.01 08:41
BMWは水素燃料電池システムの自社生産を開始しました。トヨタが開発した燃料電池を使用し、X5のFCEV仕様に搭載してテストを行う予定です。
水素燃料電池システムの自社生産開始
BMWは、次世代FCEV「iX5ハイドロジェン」に搭載する水素燃料電池システムの生産を開始した。今年末からテスト走行を行う予定であるという。
燃料電池、2基の水素タンク、第5世代のeドライブ電気モーターからなるパワートレインで、生産はドイツ・ミュンヘンで行われる。アーキテクチャは既存のBMW X5のものを使用する。
燃料電池は、2013年から提携しているトヨタが開発したものだ。BMWは、ワイヤーハーネス、コンプレッサー、アノード/カソードなどのコンポーネントを取り付ける。
BMWのオリバー・ジプス会長は、次のように述べている。
「水素は汎用性の高いエネルギー源として、気候ニュートラルの実現に向けて重要な役割を担っています。また、パーソナルモビリティに関しても、その重要性は大幅に増していくでしょう」
「当社は、水素自動車が技術的に理想的な位置にあり、BEVと並んで、電動モビリティを完成させることができると考えています。この度、燃料電池の小規模生産を開始することで、その技術的な成熟度と将来的な可能性を示します」
iX5ハイドロジェンは、今年初めにスウェーデンで冬季テストを行い、高出力のコンプレッサーや高電圧冷却システムなど、さまざまな新技術を試した。BMWは、長年の研究開発を経て、燃料電池システムの効率を大幅に向上させたとしている。
BMWの取締役で研究開発責任者のフランク・ウェーバーは、「BMW iX5ハイドロジェンに搭載された第2世代燃料電池システムでは、燃料電池の連続出力を2倍以上に高めることに成功し、重量とサイズを大幅に削減できました」と述べている。
iX5ハイドロジェンは、100台が生産される予定。一般に販売されることはないが、米国、日本、欧州、中国、韓国でテストが行われる。