4モーター1197psのエイリアン アリエル・ハイパーカー 最新BEVの試作車へ試乗 前編

公開 : 2022.09.09 08:25

レンジエクステンダー用ガスタービン搭載

キャビン後方のシルエットは、フォルクスワーゲンビートルっぽくもある。情報を知らなければ、小さなV8エンジンがフロントに隠れていると聞いても、疑問は感じないかもしれない。

実際のところ、このハイパーカーに積まれているのは1基299psを発揮する駆動用モーター。タイヤそれぞれに、合計4基が搭載されている。駆動用バッテリーは62kWhの容量で、フロアの下に敷き詰められている。

アリエル・ハイパーカー4WD プロトタイプ
アリエル・ハイパーカー4WD プロトタイプ

発生する熱を放出するため、冷却システムはかなり複雑なものだという。リア側には電動ファンが並ぶ。その中央には、ロケットブースターのような排気口も。

「これはレンジエクステンダー用のガスタービン・エンジンです。しかし、残念ながら今回は動かせません。サプライヤー側が仕上がりに納得しておらず、機能させないように頼まれています」

「実際に動かすと、サウンドはジェットエンジンのようですよ。このスタイリングが正当化されると考えています」。とサンダースは笑顔で説明するが、今回はその言葉を信じるしかない。

これまでは、パイプフレームむき出しがアリエルの定番だったから、ドアを開くことに不自然さがある。シートはレザー仕立てで快適。シートベルトは一般的な3点式で、フロントやサイドのガラスもちゃんとある。

スポーツカーとして、従来のアトムより完成度は高い。日常的な乗りやすさも引き上げられたと、サンダースは自信を見せる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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