シトロエンC5 Xシャインパック(1.6Lガソリンターボ)試乗 フラッグシップで味わうシトロエン哲学

公開 : 2022.09.03 05:45  更新 : 2022.09.03 11:30

シトロエンC5 Xシャインパックに試乗。CXを彷彿とさせるフラッグシップでシトロエンの世界観を味わいます。

フラッグシップに早速試乗

ステランティス・ジャパンが2022年8月29日に発表したばかりのシトロエン「C5 X」に試乗した。シトロエンブランドのフラッグシップモデルだ。
 
試乗会の起点となった都内ホテルの地下駐車場で実車と対面。即座に、実にシトロエンらしいと感じる。

筆者としては、在りし日に身近で接した「CX」を思い出す。

シトロエンC5 Xシャインパック
シトロエンC5 Xシャインパック    桃田健史

そのうえで、最新モデルラインアップで共通化されている、Vシェイプのライティングシグニチャーがシトロエンのアイコンとして定着したことをあらためて実感する。

ボディスタイルは、SUVというよりステーションワゴンの雰囲気が強めのクロスオーバー。

SNSなど一部では「新型クラウンクロスオーバーにちょっと似ている」という声があるようだが、実車を見る限りシトロエンの世界感はまったく別物という印象を持つ。
 
車内に入ると、「C4」で採用された意匠をさらに上級化させたイメージ。

ダッシュボードとドアパネルとの位置関係など、各所で奥行き感を持たせたことや、シトロエンのシンボルであるダブルシェブロンがATシフター周辺に縦長にあり、またドアポケットの底面など各所にあしらい、シトロエンらしい世界観を演出している。

車高は1490mmのため、クーぺライクなシートポジションで、走りに対するワクワク感を醸し出しているようだ。

「魔法の絨毯」の恩恵

今回、試乗車として準備されていたのは、1.6L 4気筒ガソリンターボエンジン(最高出力180ps/最大トルク25.5kg-m)搭載の「C5 Xシャインパック」だ。

ホテルの地下駐車場を出て市街地を行き、まず感じたのは柔軟な乗り心地だ。

シトロエンC5 X
シトロエンC5 X    ステランティス・ジャパン

C4でも定評のあるプログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)を全グレードで標準装備している。

シトロエンは、在りし日のハイドロニューマチックサスペンションを「魔法の絨毯(じゅうたん)」と呼ぶなど、独自の乗り心地を追求してきた。

そうした開発哲学を最新化したPHCだが、C4に比べてボディサイズが大きく、車重が多いC5 Xでは効果が絶大で、走行前の予想を超える独自の世界観を堪能できた。

試乗コースは都心湾岸部に近く、橋を渡ってから急な角度で切り込む走行条件の交差点などが複数あったが、「脚が良く動いている」ことが実によく分かるのだ。

そのうえで、クルマの特性を確認するため、あえてアクセルのオンオフを短時間で強めにおこなうと、クルマが前方に沈み込むノーズダイブと、後方に沈み込むスクワットで、それぞれの変化量が大きいことが分かる。

つまり、基本的にはかなりソフトなサスペンションセッティングなのだ。

それを、ショックアブソーバー内のセカンダリーダンパーにより、走行状態に応じて絶妙にコントロールしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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